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総合物流施策推進プログラムに7施策追加

国交省、ホワイト経営認証制度の創設へ

2019年3月28日 (木)

行政・団体国土交通省は28日、”推進すべき99施策”を掲げた「総合物流施策推進プログラム」の策定から1年が経過したことを受け、実施状況を検証した上で取組内容や工程に変更が必要な施策プログラムを改定、新たに7施策を追加した。

今回の見直しで追加されたのは、(1)港湾の完全電子化の推進(2)「ホワイト物流」国民運動の展開(3)ホワイト経営の「見える化」(4)荷待ち時間が特に長い輸送分野などでの取組の推進(5)トラック運送業における女性など多様な人材の確保に向けた環境整備(6)空港の防災・減災対策(7)物流・商流情報の見える化と物流・商流データプラットフォームの構築――の7施策。

追加された施策のうち、筆頭に掲げられた「港湾の完全電子化」では、港湾物流の生産性と行政の効率、災害への対応力を高めるため、港湾関連のデータ連携基盤を構築し、「あらゆる事業者」が柔軟に情報を活用できる環境を整える。

また、トラックドライバー不足に対応し、産業活動に欠かせない物流機能を安定的に確保する取り組みとして「ホワイト物流」を位置づけ、国民運動として展開していく方針を明確にしたほか、長時間労働の是正など「ホワイト経営」に取り組む事業者の認証制度を創設することも盛り込んだ。

総合物流施策推進プログラムは、2017年7月に閣議決定された総合物流施策大綱(17-20年度)に盛り込まれた視点に基づき、推進すべき具体的な物流施策をまとめたもの。

物流大綱の「6つの視点」
繋がる:サプライチェーン全体の効率化・価値創造に資するとともにそれ自体が高い付加価値を生み出す物流への変革(-競争から共創へ-)

見える:物流の透明化・効率化とそれを通じた働き方改革の実現
支える:ストック効果発現などのインフラの機能強化による効率的な物流の実現(-ハードインフラ・ソフトインフラ一体となった社会インフラとしての機能向上-)

備える:災害などのリスク・地球環境問題に対応するサステイナブルな物流の構築
革命的に変化する:新技術(IoT、BD、AIなど)の活用による物流革命
育てる:人材の確保・育成、物流への理解を深めるための国民への啓発活動など

追加された7施策
(1)港湾の完全電子化の推進
国内港湾での港湾情報や貿易手続き情報などを取り扱う港湾関連データ連携基盤を構築するとともに、港湾をとりまく諸手続き・取引電子化、データ連携を標準とする事業環境を形成し、必要なセキュリティ、情報の秘匿性の確保を行いつつ、あらゆる事業者が情報を柔軟に利活用できる環境を構築することにより、港湾物流の生産性向上、国際競争力向上、ひいては港湾行政の効率化や災害対応力の向上に取り組む。

(2)「ホワイト物流」国民運動の展開
「自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」で2018年5月に取りまとめられた「自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画」のうち「「ホワイト物流」の実現」、トラック運転者不足に対応し、我が国の国民生活や産業活動に必要な物流機能を安定的に確保するとともに、我が国経済のさらなる成長に寄与するため、「トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化」「女性や高年齢層を含む多様な人材が活躍できる働きやすい労働環境の実現――に取り組む「ホワイト物流」推進運動を関係者が連携し、強力に推進する。

(3)ホワイト経営の「見える化」
「自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」で2018年5月に取りまとめられた「自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画」のうち「ホワイト経営の見える化」について、長時間労働の是正などの働き方改革に取り組む事業者(「ホワイト経営」に取り組む事業者)の認証制度を創設する。

(4)荷待ち時間が特に長い輸送分野などにおける取組の推進
「自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」で2018年5月に取りまとめられた「自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画」のうち「荷待ち時間が特に長い輸送分野などにおける取り組みの推進」について、荷待ち時間の発生件数が多い輸送分野で、トラック運送事業者、発着荷主などの関係者が連携し、サプライチェーン全体で改善策を検討する。

(5)トラック運送業における女性など多様な人材の確保に向けた環境整備
女性ドライバーなどを含めた多な人材を確保するため、女性などが運転しやすいトラックのあり方の検討、女性ドライバーなどに関する情報発信などにより、多な人材が働きやすい環境を整備する。

(6)空港の防災・減災対策
「全国主要空港での大規模自然対策に関する検討委員会」の検討内容を踏まえ、航空輸送上重要な空港などの電源設備や滑走路などの浸水対策、耐震対策、各空港BCPの再構築を推進し、航空旅客の輸送だけでなく物流も含めた航空ネットワークの維持を図る。

(7)物流・商流情報の見える化と物流・商流データプラットフォームの構築
物流・商流に関するデータの基盤構築、他分野データ基盤との連携、物流分野の自動化などにより、物流の生産性向上・高付加価値化とサプライチェーン全体の効率化を図る。