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山小屋物資搬送に無人VTOL機、川重など参画

2021年10月6日 (水)

ロジスティクス長野県伊那市は、中央アルプス・南アルプスで積載量の大きい無人VTOL機による物資輸送プラットフォームを構築する。川崎重工業も市からの委託を受ける形で参画する。また、2020年8月からドローン物流による買い物支援サービスを構築したKDDI、河川上空をドローン航路とする「INAアクア・スカイウェイ事業」に取り組むゼンリンも合流する。

(出所:伊那市、川崎重工業)

このプロジェクトは、アウトドアブームを背景とした山小屋の利用人口増加に対応し、安定的に山小屋へ物資を運搬する需要に対応しようとするもので、ヘリコプターに頼る現在の輸送方法が送電線工事や公共事業の増加、パイロット不足で運用しづらくなってきている。

そこで、プロジェクトでは山岳特有の気象状況に適応し、長い距離と大きな標高差を安定して飛行できる無人VTOL機「K-RACER」(Kレーサー)を使用、山荘への物資輸送のための固定空路を構築し持続可能な輸送の仕組みを構築する。

市は「汎用性・拡張性を持たせることで全国への水平展開が可能であり、同様な課題を抱える全国の自治体や関係団体の課題解決、山岳部物資輸送事業の安定運営の基盤の確立に寄与する」と、今回の取り組みによって全国の山小屋の課題解決につなげたい考えを示した。

使用機材はレシプロエンジン型、垂直離着陸方式の無人航空機で、「無人地帯内目視外自動飛行」(レベル3)に対応。ペイロードは100キロ以上、継続航行距離は100キロ以上、上昇能力は2000メートル(標高耐性3100メートル)となっている。