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沖電気など、通信技術による自律ネットワーク開発

2021年11月9日 (火)

荷主沖電気工業は8日、名古屋大学(名古屋市千種区)と楽天モバイル(東京都世田谷区)と共同で、自律移動サービスを実現する自律ネットワークに関する研究開発を開始したと発表した。情報通信研究機構(NICT)が公募した「Beyond 5G(ビヨンドファイブジー)研究開発促進事業」の一般課題の研究開発項目「協調型自律ネットワークの研究開発」に取り組む。

(イメージ)

沖電気工業など3者は、サービスの通信に対する要求に自律的に応答し、多様なサービスと協調しながら安定して動作する協調型自律ネットワークに関する研究開発を行う。期間は2025年3月末までの予定。配送など物流サービスへの貢献にもつながる取り組みとして注目を集めそうだ。

5Gの次の通信規格であるBeyond 5Gが導入される2030年に向けて、生活のあらゆる場面で通信技術が活用されることによる通信量の大幅な増加や、多様化するネットワークへの要求に対して、人の手を介することなく、ネットワーク自体が自律的に対応していく必要性が高まる。自律ネットワークは、人間のエンジニアのようにネットワークを管理できるAI(人工知能)をネットワークのシステムに組み込むことで、将来的にすべてのオペレーションをネットワーク自体が単独でこなすとともに、多様なニーズにも自律的に対応する。

今回の研究開発で、3者はネットワークのオペレーションをこれまで以上に自動化するための自律ネットワークに関する基盤技術とその応用技術の構築を目指す。自律ネットワーク基盤技術と連携して周囲の環境に適応しながら移動できる自律移動ロボットを開発することで、このロボットによる効率的な映像配信サービスやIoTサービス提供の実現を図る。

映像コンテンツの配信においては、従来のサーバーからのコンテンツ配信だけでなく、自律移動ロボット側で撮影したコンテンツを蓄積し、他の端末やサーバーに送信するなど双方向のコンテンツ配信を効率的に行う。

▲協調型自律ネットワークの研究開発が実現される世界のイメージ(出所:沖電気工業)

沖電気工業は、自律ネットワーク上で、自律移動ロボットやモバイル端末などが高画質映像を高品質で受信・送信できるよう、自律ネットワーク上の双方向CDN(大容量のデジタルコンテンツをインターネット上で効率的に配信するために、コンテンツを蓄積するキャッシュサーバーなどを配置した、最適化されたネットワーク)制御の研究開発を行う。

名古屋大学は、自律移動のためのモジュールや、カメラ・マイク・スピーカー・ディスプレイ、ロボットハンドや録画用ディスクなどのサービスモジュールを組み込み、必要に応じてネットワークに帯域などのサービス要求を行う自律移動ロボットの研究開発を手がける。楽天モバイルは、CDNや自律移動ロボットを含む多様なサービスの要求に自律的に対応できるモバイルネットワークの実現に向けた研究開発を進める。