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「快感」だった引っ越しバイトでの体験/連載6話

2022年2月22日 (火)

話題人気トラックYouTuberのかなちゃんにLOGISTICS TODAY記者が密着同行取材する連載第6話

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予定通り無事、ホームセンターの物流倉庫に到着したかなちゃん。

同じように脱着をおこなう運送会社のトラックが並ぶなか、かなちゃんも指定された番号のバースに後ろ向きで入場していく。

ピーピーピー。

バックを知らせる音とともにかなちゃんは、「むずっすよね、これ」と言って窓から顔を出しながら、スワップボディを何度も微調整しながら、慎重に、まっすぐコンテナに近づけていく。

荷台に4つほどついている白い球がすべてカチッと音がしたら、しっかりと装着された証拠だ。

かなちゃんは、外で待っていた記者に「おっけーです」とガッツポーズであいさつすると、ゴム手袋をはめて下りてきて、点検作業をおこなった。

点検が完了し、さあ出発かと思いきや、「あと2時間くらいはぶっ通しで走るんです。なので、ここでトイレには行っておかないと」ということで、倉庫内にあるトイレにかなちゃんと向かった。

倉庫には、海外から到着したばかりのソファやテーブルといった家具が入っている大きな段ボールが所せましと積まれ、並べられていた。

荷物の間を縫うように作られた歩道や、作業中のフォークリフトに気をつけながら、横断歩道を渡って、トイレへと向かった。

トイレをすませ来た道を戻りながら、かなちゃんは自分の身長の3倍くらいの高さまで積まれた荷物の前に立ち止まると、トラック運転手の原風景にもなっている高校時代の引っ越し屋でのアルバイトの話をした。

その荷物は、35キロはゆうにある段ボールだったが、「これくらいの荷物だったら、コツさえつかめればひょいっと持てるよ」と、荷物に背中を向け、頭の上で持ち上げるしぐさをした。

エレベーターのない階段だけの家だろうが、何十キロもある大型冷蔵庫やソファ、テレビでも、そこに置かれた荷物なら、なんでも運んだ。

トラックと部屋の往復をしながら「こういう順番で(トラックに)入れていこう」とか「次はこれを梱包しよう」とか「次の次にこれを運ぼう」などと、自分の考えた段取り通りに進めていくと、

引っ越し作業前はごちゃごちゃして、こんな部屋が空っぽになるのかと思っていた部屋が、きれいさっぱりすっからかんになる。

その瞬間は、生きているなかでもっとも達成感があり、「快感」だと感じた。

いまはコンテナに鍵がかかっていて中身の見えない仕事だが、「いまの仕事が認められたら、早くバラを任せてもらえるようになりたいな」とかなちゃんはいま一番の目標を語った。

「バラやってるときがいちばん楽しいんで」

そう話す目は、きらきらしていた。

▶︎「私の人生、全部逃げなんです」/連載7話

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