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「できること」と「やりたいこと」はちがうと気づいたハタチのとき/連載2話

2022年2月18日 (金)

話題人気トラックYouTuberのかなちゃんにLOGISTICS TODAY記者が密着同行取材する連載第2話

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午前10時過ぎ、かなちゃんの部屋を訪ねると、かけていたメガネをはずし、鏡をのぞき込み始めていた。

午後からの出発を前に、身支度を整えるためだ。

となりには、ケージに入ったうさぎ。
普段は、部屋の中を散歩させたりしているらしい。

まずはカラコンをつけると、ベースメイクやハイライトを慣れた手つきでこなしていく。

それからアイメイクへと移る。「じゃーん、アイプチ」。そう言うと、細い粘着テープをまぶたにぺたっとつける。

「えーっでも、もともと二重ですよね」と記者が言うと、「そうなんです、よく言われるんです」と前置きしながら、「でもかな的には中途半端な二重で。もっとこう、くっきりした二重になりたくて」と言いながら、理想のまぶたについてのあれこれを教えてくれた。

それから、50色くらいあるカラフルなアイパレットを出すと、「きょうの気分はピンク」といって、ピンク色のシャドウをさっとまぶたに付けた。

「常識ないかもですけど」と前置きし、普段は車で30分ほどかかる車庫で、これらのメイクを鏡を見ずにやっているという。

「涙袋はデカ目にはマストですよね」などと言い、目の下にパール系カラーを加えると、くりっとした瞳のYouTubeでおなじみのかなちゃんができあがっていった。

「そういうとこ、人に見られるのって、いやじゃないですか?」と記者が聞くと、
「ぜんぜーん。どこで誰に見られてるとか、たぶん見られ慣れてしまってなにも思わないですよ」とさっぱりした返事が返ってきた。

最後にヘアスタイル。

「今日は巻きたい気分」ということで、ホットカーラーを手に取ると、細かい束をひとつひとつ丁寧にとりながら、くるくると器用にロングヘアーを巻いていった。

さらさらなロングヘアに、「きれいにのばしてますよね」と記者が言うと、「え、そうですか?よく見るとぼろっぼろですよ。てか、社則で髪は黒って言われてるんですけど、すぐに茶色くなってしまって困るんです」などと飾らず気さくに話してくれる。

ヘアスタイルも含めて「自分に飽きない工夫」をいつも考えていて、YouTubeでも、いつも同じ自分だと飽きてしまうという。

だから、「今日はロング、今日はカール、今日はポニーテール、今日はおだんご」というふうに変化を楽しんでいる。

「飽きないこと」

なんでもないことにも聞こえるけど、かなちゃんにとっては、いまにつながるとても大事な価値観だ。

高校卒業後、2年間かけて美容の専門学校を卒業し、エステティシャンの資格もとった。

同級生がデパ地下の化粧販売員といった美容関係の仕事に就職するなか、当時20歳だったかなちゃんが就職先に選んだのは、運送会社でトラックドライバーをすることだった。

理由は「『できること』と『やりたいこと』はちがうと気づいた」から。
美容業界は興味もあったし、メイクをするのも普通の人より得意だけど、「かなのやりたいことではなかった」

やりたいことは、高校時代に引っ越し屋のバイトで初めて味わった「え、なにこれ」「やべー」と感激した眺めを、自分自身で運転することで味わってみることだった。

記者がかなちゃんの部屋にある、趣味の釣り道具や、イベントや運行中に出会ったYouTuberのステッカー、YouTubeライブのナイスパさんたちの名前を一覧にしたホワイトボード、編集機材など眺めている横で、かなちゃんは着ていたジャージをひょいと脱ぎ捨てると、会社のユニフォームへと着替えた。

数日前にかなちゃんが働く会社の支店の事務所で初めて顔合わせをしてしゃべったときは、にこにこして礼儀正しくておとなしくて、年齢以上にしっかりしている方だなという印象を持ったのだけど、プライベートでは、しゃべりだすと止まらないくらいのおしゃべりさんだ。

もっとあれこれたわいのないガールズトークを楽しんでいたかったけど、あっという間に出発の時間になり、お互い「まあ追い追いトラックの中でしゃべればいいしね」といって、自家用車に乗せてもらって出発した。

かなちゃんは、コンビニで買ったハンバーガーとアイスコーヒーを信号待ちでちょこちょこと飲んだり食べたりしながらの朝食をとりながら、出発1時間前となる正午ごろ、車庫へと到着した。

▶︎いってきまーす/連載3話

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かなちゃんのTwitterはこちらから