行政・団体国土交通省は3日、6月6日から5日間オンラインで開かれる国際海事機関(IMO)の第78回海洋保護委員会を前に、審議予定事項を公表した。国際海運からの温室効果ガス(GHG)排出削減目標をはじめとする気候変動対策や、海洋汚染防止対策など、船舶の環境対策が議論される予定という。
同省によると、IMOは2018年に「GHG削減戦略」を採択し、3つの目標を設定。30年までにCO2排出量40%以上削減(輸送量あたり、08年比)▽50年までにGHG排出量50%以上削減(08年比)▽今世紀中なるべく早期に排出ゼロ――という目標だ。この戦略は23年に改定することになっており、参加各国は今回の委員会に具体的な提案を出すよう要請されている。
日本はアメリカ、イギリスなどと共同で、遅くとも50年までにGHG排出をゼロにすることを念頭に、具体的な目標設定の議論を進めることを提案している。また、30年目標の強化や40年目標の新設についてもあわせて検討すること、さらに、ことし12月の次回会合までに作業部会を開いて議論を進めることなども提案している。
日本は「50年までに国際海運からのGHG排出を全体としてゼロ(2050年カーボンニュートラル)」を目指しており、この目標がIMOの世界共通目標となるよう、政府は議論を進める方針だ。
一方、海洋汚染防止対策については、「地中海における燃料油中硫黄分濃度の規制強化」「船舶バラスト水規制管理条約の見直しに関する今後の検討の進め方」「船舶からの海洋プラスチックごみ対策」「排出ガス洗浄装置に関するルールの調和」などが審議される予定だ。