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最新技術に「触れる」機会に、関西物流展の歩き方

2023年3月28日 (火)

話題来場者数2万4000人を見込み、360社が出展する物流展示会「第4回関西物流展」が4月12~14日、大阪市住之江区のインテックス大阪で開催される。2019年に第1回が開催されるまで、関西圏では大規模な物流に関する展示会がなかったこともあり、関西圏の顧客獲得を狙う多くの業界関係者が来場し、ことしは過去最大規模となる。

▲関西物流展の見どころを解説する事務局の岩本匡史氏

主催者が単独で展示会を企画・構成するのではなく、地域団体や業界関係者と協働するのが関西物流展の特徴だ。地域密着型の展示会を実現することで、来場者が直接メーカーに要望や意見を伝えたり、情報収集や新しい可能性を生み出す商談の機会を作り出したりする事が可能となる。

展示会では、カテゴリーごとにサービスが展示されているが、大規模な会場の場合、どこを見ればよいのか悩むことがある。そこで、関西物流展事務局の岩本匡史氏に今回の見どころとなる主なカテゴリーについて話を聞いた。

「ロボット・AI」 海外と日本の技術革新が必見

「搬送・仕分け・ピッキング」カテゴリーは、昨年の226から309コマに拡大。なかでもロボット・AI(人工知能)が一番の目玉だ。ことしは海外企業が多く出展しており、日本企業との差別化やグローバルな技術革新を目の当たりにできる。出展企業の数社を紹介したい。

▲ラピュタロボティクスのPA-AMR(出所:ラピュタロボティクス)

スパイラルコンベアの開発・製造を行うアンバフレックスジャパン(オランダ)、倉庫内のマテリアルハンドリングの完全自動化を売り出すエグゾテック(EXOTEC、フランス)、銀行ATMなどで使用できるクラウド型顔認証システム「フェイスプラスプラス」(Face++)を開発するメグビー(Megvii、中国)などが、海外勢として出展する。国内勢としては、オカムラ、キーエンス、自動倉庫システムの実機の展示を予定している住友重機械搬送システム(東京都港区)、そして自動倉庫型ピッキングシステムにおけるロボティクスプラットフォームを提供するラピュタロボティクス(江東区)だ。

最新のEVトラック

▲EVモーターズのラストワンマイルEV(出所:EVモーターズ・ジャパン)

2015年の国連サミットでのSDGs採択に伴い、運送会社にも騒音低減やCO2削減に取り組むことが期待されている。社会的責任を果たし自社企業の価値を高めるため、EV(電気自動車)トラックの導入を検討する企業が増加傾向にある。電気代の高騰や充電ステーションの不足、導入コストの問題などネガティブな要素が残っているが、中長期的な視野で考えるとEVトラックの需要は高いといえる。

最新のEVトラックの特徴やメリット・デメリットを把握することで、他社に遅れを取らず企業イノベーションにつなげることも可能だ。ことしは、EVモーターズ・ジャパンと三菱自動車が「産業・運搬車両/関連機器・ソフトウェア」のカテゴリーで出展する。

物流業界のM&A

EC(電子商取引)市場の拡大に伴い、物流業界では深刻な人手不足や輸送効率の低下、労働環境の改善などが問題になっており、解決策として物流業界のM&Aが増加傾向にある。「物流業務支援サービス」カテゴリーでは、船井総合研究所と共同ピーアールが物流業界のM&Aをテーマに出展する。

物流不動産だけでなく、ソリューションサービスも提供

「物流施設・不動産/建設/誘致」カテゴリーにおけるコマ数は昨年よりも増加している。背景にはスピード感が重視されるECビジネスにおいて、最短で商品を届けるため都市部での大型物流施設の展開が進んでいることなどが挙げられる。各ブースでは、一社単体で展示するのではなく、複数の企業が協働し、土地やスペースを貸し出すだけにとどまらない、総合的なソリューションサービスを訴求する。

新たな可能性を期待できる企業とのマッチング

「保管・輸送・3PL」のカテゴリーでは、運輸会社と倉庫会社が出展しており、新しい荷主とのマッチングの機会を求めている。荷主側としては、価格のみならず、新しい可能性を作り出せる企業とのマッチングが期待できる。

これら以外にも、「パレット・コンテナ/保管機器」「梱包・包装」「AI/倉庫管理/AI・IoT/情報システム」「防犯・防災/リスク対策/BCP推進」などのカテゴリーがある。

「見て」「触って」「体感する」、関西物流展の楽しみ方

▲昨年6月に実施された第3回関西物流展の様子

関西物流展では、連日にわたって随時特別セミナーが開催される。テーマとしては、「ロボティクス」「2024年問題」「物流DX」「自動配送ロボット」などがある。IT技術の進歩に伴い運送業界の多くのカテゴリーでは、ロボットやAIなどの技術が駆使されており、自社技術の素晴らしさを味わってもらうため、各社が展示方法に工夫を凝らしている。

関西物流展では、来場者が「見て」「触って」「体感する」ことをモットーにしており、各メーカーのサービスを体験できるのが、この展示会に足を運ぶ楽しみの一つだ。

サンオータス「ディーゼルプロ」関西物流展2023出展

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