選ばれるシステムの真髄は「出荷絶対」

話題ロジザード（東京都中央区）が運営する「ロジザードZERO（ゼロ）」はトップレベルのシェアを誇るクラウド型WMS（倉庫管理システム）だ。昨年の本誌アンケート調査においても、アクティブな導入拠点数で1位を獲得した。ロジザードZEROが、なぜ選ばれるのか、ロジザード取締役営業部長 亀田尚克氏に、そのワケを聞いた。

▲ロジザード本社エントランス

トラブルに365日対応の姿勢が人気の理由

WMSの主な機能は在庫管理だ。しかし、使い勝手に対する多少の良し悪しはあっても、システムごとで差別化しづらい側面がある。ロジザードZEROは、アパレルや総合通販のような多品種小ロットの商材に強いのが特長だが、それだけでは選ばれる要素には少し弱い。価格で比較しても、安価なWMSも存在するため、そちらが選択されるケースもあるだろう。

しかし、価格の安さには負けない強みがロジザードにはある。それは「サポート力」だ。実際に、一度は価格の安さを求めてロジザードZEROから他社のシステムに乗り換えた顧客が、戻ってきたケースもあるという。その理由は「顧客側に起因するトラブルへの対応」だ。

どんなに優れたシステムであっても、顧客やその先の利用者が送信するデータ内容の不具合などで、出荷データをうまく取り込めない例は起きてしまうだろう。倉庫担当者では解決できない場合、迫る出荷の締め切り時間に焦るばかりだ。ロジザードはこうしたトラブルも当たり前のように対応してきた。しかし、このような対応ができていないベンダーもあるようだ。乗り換えた先のベンダーからサポートで十分な対応を受けられず、ロジザードZEROを再導入した顧客からは「ロジザードはいつも当たり前に対応してくれていたから気づかなかったけれど、実はしっかりサポートしてくれていた」との声をもらったという。

▲ロジザード取締役営業部長 亀田尚克氏

亀田氏はサポート体制について「お客様から『出荷ができなくて困っている』と電話があれば、当社は開発の手を止めてでも、解決に向けて調査や支援を優先します。お客様が困ったときに電話がつながらないことがないよう、創業から今まで一日も途切れずにサポート対応してきました。集荷時間に合わせて、有人で対応できるよう体制を整えています。これは他社にはないとお客様から喜んでいただいているサポート体制です」と話す。

WMSの運用では、出荷データの返送など、夕方にトラブルが起こる可能性もあるだろう。ロジザードZEROであれば、土日祝日を含め365日、9時（土日祝は10時）から19時まで電話やメールでサポート対応を受けることが可能だ。エンジニアも常駐しており、技術的な内容も相談できるため安心だ。ロジザードZEROが、3PLや運送会社に多く選ばれている理由もここにあるのかもしれない。

標準搭載と外部システムとの「つながり」を強化

ロジザードは今年、前身のASPサービス「Logizard-Plus（ロジザードプラス）」を終了。このシステム移行に多くの労力を割いてきたリソースを今後は開発に回せることになった。そのため、同社では、改めてロジザードZEROのバーションアップに意気込みを示している。

「BtoB周りの機能改善にさらに手を入れていきたいと思っています。従来、オンプレミスのシステムが主流であったところから、最近ではバーションアップの恩恵を受けるためにクラウドシステムを求める声が増えています。極力カスタマイズを行わずに、標準で使える範囲を増やしていく予定です」（亀田氏）。

同社は「出荷絶対」の社訓をもとに、トラブル対応やベース機能の使いやすさを追求する真面目さが際立った。一方で、「物流ロボット連携、自動化」や「ECから店舗までのオムニチャネル、OMO化」など、これからを見据えたトピックにも先んじて取り組んでいる。OMSやPOSシステムなど上位システムとの連携。倉庫の自動化に対応するためのマテハン機器との連携がこれにあたる。連携できる外部システムの豊富さについて「ユーザーの選択肢を増やしたいと考えています。さまざまなシステムと標準連携できれば、お客様はカスタマイズしなければならないという心理的なハードルを下げた状態で導入ができるからです」と亀田氏は強調した。

ロジザードは、2023年11月10日（金）に浅草橋ヒューリックホールで、展示会を主催する。この展示会には、開発不要で連携できるシステム会社が30社ほど出展する予定だ。亀田氏に展示会に対する意気込みを聞いた。

「『サービスをつなげるとこんなことができるのか』と気づきを得られる展示会にしたいと考えています。出展企業とお客様、あるいはお客様同士でリアルに会える機会にもなると思います。ぜひ来場してもらえたらと思います」

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