荷主大型原油タンカーが排出する温室効果ガスの量を削減するために必要な主要機器や主要寸法など研究するためにコンソーシアムを結成した出光タンカーと飯野海運、日本郵船、日本シップヤードの4社は15日、次世代燃料としてメタノールを使用する国内初のマラッカマックス型大型原油タンカーのデザインコンセプトを発表した。

▲環境対応VLCC・デザインコンセプトイメージ(出所:日本郵船)
マラッカマックス型は、日本と中東をつなぐ主要航路であるマラッカ海峡を航行可能な最大船型のことで、4社は従来比で40%以上の温室効果ガス排出削減を目標に、今年1月コンソーシアムを発足させた。
発表されたデザインコンセプトによると、船の全長は最大339.5メートルで、型幅は60メートル、型深さは28.6メートル、満載喫水は21メートル、満載時の載貨重量は30万9400トンとなっている。
メタノールと重油を燃料として使用できる最新鋭の二元燃料主機を採用し、プロペラの軸を利用した大型発電機によって航行中の電力を確保するほか、風の力で推進力を補助する装置も搭載できるようにする。
これらの仕様によって、エネルギー効率設計指標規制に対して基準値比40%以上の削減を達成し、2025年から適用されるPhase3(基準値比30%以上削減)も大幅にクリアできる。
将来的には、バイオマスを原料とするバイオメタノールや、再生可能エネルギー由来の水素と回収されたCO2を利用して製造するなどしたグリーンメタノールを使用すれば、CO2排出量を実質ゼロにすることも可能になるという。
4社は今後、デザインコンセプトをもとに更なる詳細な検討を進め、国内向け原油輸送への早期導入を目指す。
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