調査・データ川崎重工業(東京都港区)は17日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発プロジェクト」として採択された「水素航空機向けコア技術開発」において、小型航空エンジンの水素100%燃料による運転試験に成功したことを発表した。
本事業は、水素航空エンジンの実現に向けて水素燃焼技術の開発を進めるもの。従来燃料用の自社製小型航空エンジンに同社が新たに開発した水素用燃焼器などを搭載して水素燃焼運転試験を実施した。試験は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)・能代ロケット実験場(秋田県)で行われ、水素のみを燃料とした着火から回転上昇、定常運転、回転降下、停止までの一連の運転動作において、安定したエンジン運転が可能であることが確認された。
今回の試験は、同社が2021年より実施する3つの開発項目のうち「水素航空機向けエンジン燃焼器・システム技術開発」の一つとして実施。残る2つの開発項目である「液化水素燃料貯蔵タンク開発」「水素航空機機体構造検討」についても順調に進捗しているといい、今回の成果と合わせて水素航空機の機体およびエンジン関連のコア技術開発を推進する予定だ。21年から10年間をコア技術の開発期間とし、それらを統合したシステムとしての成立性と性能を評価するために30年に地上での実証試験を計画しているという。
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