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電動SUV市場は今後10年で8倍規模に

2024年11月18日 (月)

調査・データ米市場調査会社Panorama Data Insights(パノラマデータインサイト)は18日、世界の電動SUV(e-SUV)市場は2023年から32年までの間に7.7倍の5235億ドルの規模に成長するとの予測を公表した。同社によると、23年の同市場の規模は677億ドルで、今後32年まで年平均25.5%の大幅な成長を続ける。

ガソリン車の中で、全輪または四輪駆動システムを装備したSUVは、多様な地形での走行に長け、頑丈なことから、世界中で人気が高い。このため、電動自動車(EV)の普及につれ、e-SUVの人気が高まることが予想される。また、ブランドが小売店などを通さずに、顧客に直接製品を販売する消費者直販(D2C)の増加も市場成長を後押ししている。

また、各国政府が行っているEVに対する多額の税制優遇措置や補助金、その他の財政上の優遇措置も、e-SUVを経済的に魅力的なものにしている。例えば、米国のインフレ抑制法では、23年以降に電気自動車を新規購入する場合、最大7500ドルの連邦税額控除が受けられる。さらに、オーストラリアのように、充電ステーションなどEVインフラに戦略的な投資をしている国も多い。

ただ、EVは従来のガソリン車に比べ、初期費用が高いことがe-SUVの普及の障害となる可能性がある。特にリチウム、ニッケル、コバルトなどバッテリー生産に不可欠な原材料コストの高騰は、車両価格引き下げの妨げとなる恐れがある。また、さらなる普及に向けて、バッテリーの航続距離に対する不安の払拭や充電インフラの整備も必要となる。このため、航続距離の延長や充電時間の短縮、安全性の向上などを実現するバッテリー技術の発展に期待がかかる。

地域的には今後、アジア太平洋地域でe-SUVの普及が着実に進むと予想される。中国と日本が主要な市場で、積極的な政府の政策とトヨタや日産のような大手自動車メーカーの存在が成長を促す環境を整えている。

同社は、世界のe-SUV市場は技術革新や政府の推進策、持続可能な交通手段への消費者嗜好の変化によって、急拡大の道を進んでおり、自動車産業の将来を左右する重要な市場になるとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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