M&A福岡運輸ホールディングス(福岡市博多区)は24日、兵庫県に拠点を置く定温物流会社2社の完全買収を正式に発表した。同社は関西圏での物流ネットワークの一層の強化、事業基盤の拡充を目的に、温度管理輸送に特化した「弘洋定温運輸」と「アプローチサービス」の発行済株式の100%を取得することを決定した。
買収した2社は兵庫県加古川市に本社を構え、長年にわたり大手食品油脂メーカーの商品配送を手掛けており、温度管理が必要な繊細な商品の配送で高い評価を得ている。収益面では、弘洋定温運輸の売上高は3億円(2024年9月期)、アプローチサービスは1億8200万円(24年2月期)を計上している。
車両設備は、両社合わせて最新の温度管理システムを搭載した大型冷蔵車22台、中型冷蔵車5台。人員体制は、それぞれ16人の従業員を擁しており、温度管理輸送のスペシャリストとして高度な専門性を持つスタッフが在籍している。
福岡運輸は1950年代に日本で初めて冷凍車による定期運行サービスを開始した実績を持つ、温度管理物流のパイオニア企業だ。関西圏にでは大阪支店を中心に、関西センター、西宮配送センター、神戸物流センターなど計6拠点を戦略的に展開し、効率的な物流ネットワークを構築してきた。今回の買収により、関西圏での拠点網は8か所へと拡大し、より緻密な配送体制が実現する。両社の荷主企業は福岡運輸グループが持つ全国規模の温度管理物流ネットワークの活用が可能となり、配送範囲の拡大や輸送時間の短縮などが見込める。
定温物流業界では、配送効率の向上と荷主の利便性確保が課題としてある。特に温度管理が必要な商品の輸送においては、効率性と品質の両立が不可欠とされ、業界全体で取り組むべき優先事項となっている。福岡運輸は今回の戦略的な買収を通じて輸送能力を強化するとともに、両社が持つ高度な温度管理ノウハウを活用する。サービス品質の向上と配送ネットワークの最適化を実現し、物流品質のさらなる向上を目指す。
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