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【連載】トラボックス吉岡氏の大型免許取得奮闘記(第4回)

教習所に慣れられず、毎度緊張しながら続く教習…

2025年5月8日 (木)

ロジスティクス銀行員から転身し、求荷求車マッチングサービス「トラボックス」の立ち上げに参画した、トラボックス取締役会長、吉岡泰一郎氏。創業以来、25年にわたって運送業と関わってきた吉岡氏が一念発起し、54歳にして大型免許の取得に挑戦。その顛末を吉岡氏自身の手記で紹介します。

教習の前日は、いつも憂鬱

▲卒業後に座った教習者の運転席。あの頃のプレッシャーが嘘のよう

最初の教習を終え、これから、2、3日に一度は教習所へ通うこととなる。
教習前日の晩には、少しでも体調を整えるように努めた。なるべくお酒を飲むことを控えるようにもした。
とはいえ、カレンダーに教習所の予定があると、どうしても少し憂鬱になってしまう。しかし、キャンセルや延期はせず、サボらずに通った。

教習所に着くと、カードを受付に提出して、教習簿を受け取る。教習簿を受け取る時には名前を呼ばれるのだが、私の教習簿には「小山社長」と欄外に大きく書いてあるので、受付の方には必ず顔を見られる。

私の自意識が過剰だからではない。教習所で1人だけ明らかに年齢が上だからでもない。欄外の文字の影響なのは、火を見るより明らかだった。

トラックに乗っても同様である。社長との関係や、今の職業、どうして大型免許を取得するのか?などなど…。
特に2時限(80分間)続く一般道を走る路上実習では、教官から、いろいろ質問され、それに答えねばならない。

所内の実習は毎回緊張と恐怖、刺激の連続である。坂道発進からの信号待ちは前に出てはいけない、踏切前では窓を開ける、数秒に一回は左右のミラーを確認するなど、頭では理解して覚えていても、つい身体は日常の乗用車スタイルの動きをしてしまう。そして、左折が怖い。

▲教官はなぜこんなに優しいのか?

▲教習は恐怖の対象だった教習コース。特に左折が怖い

教官はみなさん優しかった。誰も叱らない。教習簿に社長の名前が記載されているからだろうか?あるいは、私が(教官より)年配だからだろうか?それとも、私が教官のことを『先生』と呼ぶから?はたまた、ハラスメントの問題…?などとさまざまに憶測したが、なんのことはない、これがこの教習所のスタイルなのだった。

教習トラックの助手席に座っているのがそんな優しい教官であっても毎回緊張するし、実習前にはどの先生なのかを確認したり、教習本を読んで整理する。

しかし、とにかくぜんぜん教習に慣れることはできなかった。こうした感覚は卒業まで続いた。

<続く>

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