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世界のSAF市場、32年に現在の58倍規模に

2025年6月3日 (火)

調査・データインド市場調査会社のSkyQuest Technology and Consulting(スキクェスト・テクノロジー・アンド・コンサルティング)は9日、世界のSAF(持続可能な航空燃料)市場は2024年に12億4000万ドルに達し、32年には698億6000万ドル規模と58倍に拡大するとのレポートを公表した。この間の年平均成長率は65.5%となる。

脱炭素の取り組みが進む中、航空業界では環境にやさしい代替燃料として、廃食用油などから作られるSAFの導入が進んでいる。

レポートによると、世界中の航空会社はSAFメーカーと長期契約を締結しており、各国政府も導入促進のための義務化やインセンティブを導入している。現在、北米とヨーロッパが生産と消費の面でリードしているが、アジア太平洋地域も急速に追い上げており、日本やシンガポール、韓国などの国々がSAF開発を支援する政策枠組みを推進している。

特に日本は、政府が2050年までに実質ゼロエミッションを達成するというカーボンニュートラルの目標を掲げており、航空業界は、総排出量に占める割合は比較的小さいものの、目標達成に向けて象徴的、戦略的な役割を果たしている。航空会社や燃料メーカー、政府など航空業界の関係者は、より広範な気候変動対策の一環として、SAFへの投資に積極的に取り組んでいる。

日本の大手航空会社は、今後10年間でSAFの利用拡大を計画しており、政府の支援や世界的な燃料技術企業との提携による国内生産能力の開発も加速している。これによって32年までに信頼性の高いSAFサプライチェーンを確立し、消費国としてだけでなく、アジア地域のSAFハブとしての地位を確立することを目指す。また、都市ごみや藻類、バイオマスなどによる代替燃料製造の可能性も模索している。

同社は「日本のエンジニアリング、研究、産業政策での強みは戦略的優位性をもたらす」とし、「日本企業はこれらの強みを生かして国際的なパートナーシップを構築し、原料資源が豊富な地域でSAFインフラの共同開発を進めていくことが期待される」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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