調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は6月30日、2024年度の「上場企業 不動産売却」調査の結果を公表した。調査は、東証プライム、スタンダード、グロース上場企業3826社(3月末時点)を対象に、5月31日までに24年度(24年4月-25年3月)における国内不動産(固定資産)の売却を開示した企業を集計、分析したもの。
不動産売却を開示したのは85社(前年度97社)で、2年連続で100社を下回った。譲渡損益を公表した81社のうち、譲渡益の計上は76社で、総額は2992億4400万円(前年度比48.2%減)と前年度からほぼ半減した。譲渡益トップはシャープの861億3900万円、次いで日野自動車の340億円、ヤマトホールディングスの242億円だった。譲渡益100億円以上は5社(前年度13社)で前年度から大きく減少した。一方、10万平方メートル超の大型不動産の譲渡は増加し、売却した土地の総面積は前年度から1.6倍(前年度比57.5%増)に拡大した。
業種別では、小売業が10社で最多。経営資源の有効活用および財務基盤の強化を図るため売却した企業が多かった。10社のうち、最新期での最終利益が赤字は5社(構成比50%)と半数にのぼった。2位はサービス業の9社(同5社)で、9社すべて最新期の最終利益は黒字だった。
同社の分析によると、コロナ禍では、赤字補填やリモートワークなどの普及による働き方改革を理由とした売却が多かったが、その動きが落ち着き上場企業の不動産売却は減少している。しかし金利上昇などを背景に、大手を中心に設備投資を早める動きも一部でみられるため、今後は一進一退を繰り返しながら不動産売却の件数が増加に転じる可能性もあるとした。
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