調査・データ日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は4日、昨年度の物流システム機器の総売上金額は6570億円となり、過去最高水準を更新したと発表した。過去最高だった2023年度の6330億円から3.8%増となり、3年連続で6000億円を超えた。
JILSは物流システム機器の生産出荷状況を定量的、継続的に把握するため、1985年から物流システム機器生産出荷統計調査を実施し、その結果を公表している。調査結果によると、売上件数も前年度の11万8357件から13万3532件と増加した。引き続き、機器への需要は高く、各メーカーも生産、供給に対応している。
業種別に見ると、「電機・精密機器」への売り上げの比率が46.3%で最も大きく、前年度より14.7ポイント高くなった。次いで「卸・小売」の15.1%、「その他製造」の11.7%が続いた。
機種別にみると、自動倉庫は売上額が前年度の1320億円から1470億9800万円へと11.4%増加した。内訳では、バケット用自動倉庫(ユニット式)の売上額が、863億8200万円から791億400万円へ8.4%減少。クリーンルーム向けは382億600万円から384億9300万円と0.8%の微増だった。
台車系は1659億3700万円から1820億3900万円と9.7%増加し、基数も1万1499台から1万2818台と11.5%増加した。内訳では、天井走行台車が1468億6900万円から1544億6300万円へと5.4%増、有軌道台車システムは57億500万円から95億1500万円へと66.8%の大幅増となった。無軌道台車システムも133億6300万円から180億6100万円へ35.2%増加した。
コンベヤー系の売上高は、1467億6300万円から1447億4600万円へと1.4%減となった。内訳はケース搬送用が873億4000万円から732億500万円へ16.2%減少し、ハンガー式も131億1100万円から94億800万円へ28.3%減少した。パレット搬送用は463億1300万円から621億3400万円へ34.2%増加した。
仕分け・ピッキング系は、297億1300万円から271億6100万円へと8.6%減少した。全体の半数以上は仕分機が占めているなか、仕分機の売上額が、198億2000万円から157億6100万円へ20.4%減少した。基数は、2764台から2782台へと0.6%の微増だった。デジタルピッキング表示器は、89億8200万円から106億1200万円へと18.1%増加した。
回転棚・移動棚の売上額は192億1700万円から202億200万円へと5.1%増加し、83.3%を移動棚が占めた。内訳では、移動棚のうち電動式が132億9300万円から128億4200万円へと3.4%減少する一方、手動式は31億8200万円から39億8200万円と25.1%増加した。回転棚は、垂直式が9億3700万円から9億4000万円へと0.3%の微増で、水平式は18億500万円から24億4100万円へと35.2%増加した。
棚の売上額は326億7700万円から333億700万円と1.9%増加した。内訳は、重量棚が109億1900万円から117億7300万円に7.8%増加、中軽量棚は215億5900万円から210億2300万円に2.4%減少、流動棚は1億9900万円から5億1100万円へと2.5倍以上になった。
パレタイザーとデパレタイザーの売上額は、85億3400万円から81億4700万円へと4.5%減少し、基数も980台から788台へと19.6%減少した。
垂直搬送機は、売上額が171億1800万円から137億2500万円へと19.8%減少した。内訳はパレット搬送用が145億7000万円から105億3500万円に27.7%減少し、ケース・ピース搬送用は25億4800万円から31億9000万円へと25.2%増加した。
コンピューターの売上額は455億8100万円から540億8300万円へと18.7%増加した。内訳をみるとハードが100億1300万円から166億4600万円へと66.2%の大幅増になった一方、ソフトは328億2100万円から329億1900万円へと0.2%の微増だった。
また、海外向けの売上額は、1832億900万円から2285億8200万円へと26.0%増加した。このうち、クリーンルーム向けは1597億7500万円から1901億7500万円へと19.0%増で、クリーンルーム以外は、234億3400万円から406億6300万円へと73.5%増加した。
機種別に見ると、台車系が全体の62.6%、自動倉庫が18.2%、コンベヤー系が7.1%を占め、3機種で87.9%を占めた。3機種の売上額は、台車系が1168億600万円から1429億9500万円へ22.4%増、自動倉庫は306億6400万円から415億8000万円へ35.6%増、コンベヤー系も137億4900万円から162億3400万円に18.0%増加した。
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