ロジスティクスホルムズ海峡の実質封鎖を受け、原油価格が急騰している。週明けの先物市場を前に、物流コストの全面的な上昇が避けられない情勢だ。(編集長・赤澤裕介)
ブレント原油先物は週末の店頭(OTC)取引で1バレル80ドル前後に達した。前週末の73ドル前後から1割の急騰だ。3月3日の先物市場のオープンでは85-90ドルまで上昇するとの見方が広がっている。
ホルムズ海峡は世界の石油消費量の2割にあたる日量2000万バレル前後(原油・石油製品合計、米エネルギー情報局2024年データ)が通過する。封鎖が1-2週間続くシナリオでは、ゴールドマン・サックス(米国)やUBS(スイス)が100ドルタッチのリスクを指摘する。2週間を超えれば110-130ドル以上への急騰もあり得るとの分析もある。
海外エネルギー分析会社のアナリストは、当面は実際の供給途絶よりも地政学リスクプレミアムの拡大が価格を押し上げるとの見方を示した。
保険・運賃・燃料の三重苦
原油価格の上昇に加え、戦時保険料と運賃の急騰が重なる。
保険ブローカー大手は、ペルシャ湾の船体保険料が短期的に25-50%上昇すると推定した。商業船舶への直接攻撃が起きれば「戦時保険料全体に大きな影響を及ぼす」と警告した。海外コンテナ専門メディアによると、1億5000万ドル級のコンテナ船で1航海あたりの保険料が37万5000ドルから75万ドル超に倍増する計算だ。米国やイスラエルに関連する船舶は保険の引き受け自体を拒否される可能性もある。
コンテナ運賃も上昇局面に入った。CMA CGMは3月2日から緊急紛争サーチャージ(ECS)を導入し、20フィートコンテナで2000ドル、40フィートで3000ドルを上乗せする。喜望峰迂回に伴う航海日数の増加(+10-14日)は燃料費を30-50%押し上げる。
海運調査会社のデータでは、攻撃開始前の10日間で中国-UAE間のスポット運賃はすでに5%上昇し、1FEU(40フィートコンテナ)あたり1572ドルに達していた。封鎖の長期化で一段の上昇は避けられない。
物流業界への影響は多層的だ。燃料サーチャージの引き上げはトラック輸送にも波及し、航空貨物の燃油サーチャージも上昇圧力を受ける。LNG(液化天然ガス)価格の上昇は電力コストに跳ね返り、倉庫や物流施設の運営コストにも影響する。
封鎖の行方次第では、荷主企業の調達コストから最終消費者の物価まで、サプライチェーン全体にコスト増が連鎖する構図だ。
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