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自動運航RORO船、営業航海でレベル4運用可能に

2026年3月9日 (月)

ロジスティクス日本財団は9日、無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」に参画する内航RORO船「第二ほくれん丸」が、自動運航船として国土交通省の船舶検査に合格したと発表した。RORO船が自動運航船として同検査に合格するのは国内で初めて。営業航海中に自動運航レベル4相当の機能を使用できるようになった。

▲内航RORO船「第二ほくれん丸」船内(出所:日本財団)

同船は川崎近海汽船が所有・運航する内航RORO船で、全長約173メートル、総トン数1万1413トン。北海道釧路港と茨城県日立港を結ぶ定期航路に就航し、生乳など北海道の農産物輸送を担う。トラックやトレーラーが自走して積み降ろしできるRORO方式で、モーダルシフトを支える物流船として位置付けられる。

今回の認証に先立ち、日本海事協会は1月27日付で自動運航船に関する船級認証「MASS」を付与した。その後、国土交通省の自動運航船の検査制度に基づく船舶検査に2月9日付で合格した。自動運航システムでは、センサーによる周囲監視や避航ルートを自動で計画するプランナーなどが正常に作動するかを確認している。

同船は既存船へのレトロフィットによって自動運航機能を導入した点も特徴だ。プロジェクトでは川崎汽船、川崎近海汽船、日本無線、YDKテクノロジーズなどが共同でシステム開発と実証を進めてきた。

MEGURI2040は、日本財団が2020年から推進する無人運航船の社会実装プロジェクト。少子高齢化による船員不足やヒューマンエラー事故の削減を背景に、自動・無人運航技術の開発と制度整備を進めている。第1ステージでは22年に6隻の実証船で実験を実施し、東京湾などの輻輳海域や750キロの長距離航行で無人運航を成功させた。

現在進む第2ステージでは、商用航路での実証を重視している。実証船は4隻で、旅客船「おりんぴあどりーむせと」、内航コンテナ船「げんぶ」に続き、「第二ほくれん丸」が3例目となる。さらに749総トン型内航コンテナ船「みかげ」でも社会実装レベルの自動化を目指す。

プロジェクトでは陸上支援センター(FOC)も整備しており、複数船舶の航行監視や航海計画作成、機関状態の遠隔監視を陸上から実施する体制を構築した。これにより船員の負担軽減や運航安全性の向上を図る。

内航海運はトンキロベースで国内貨物輸送の4割を担う一方、船員の高齢化と人手不足が深刻化している。自動運航技術はこうした構造課題への対応策として期待されるが、制度整備や安全基準の確立が不可欠とされる。

日本財団は2040年までに内航船の50%を無人運航化することを目標としており、今後も実証航海で得られるデータを活用し、国際的なルール形成や保険制度などの整備にもつなげる。

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