和歌の海運送（和歌山）が事業停止、TDB調べ

調査・データ帝国データバンク（TDB）によると、和歌山市西浜の和歌の海運送は20日、事業を停止し、事後処理を橋本芳則弁護士ほか（大阪市北区西天満）に一任した。

同社は1965年（昭和40年）6月創業、72年（昭和47年）9月法人設立の運送会社。鮮魚輸送を行う運送会社としては同地域でトップの規模で、漁港を基点とした全国各地の魚市場のほか、地場食品スーパーや物流センターなどへの配送を行っていた。

近年は冷凍食品やチルド食品などの配送も手掛けるなど、12年3月期には年売上高10億8600万円を計上。ただ、過年度に傭車運転手に対する損害賠償事件が発生したことや、運賃の低価格設定による対応、配送時間の限定される輸送が多かったことで車両事故も多く、これらによる経費がかさんでいたこともあり、採算性の厳しい状況が続いていた。

その間、一部の取引先に協力を求めながらの繰り回しが続いていたが、軽油価格の値上がりによる経費負担も大きかったことで、今月20日の決済が困難となり、先行きの見通しも立たないことから、今回の事態となった。負債は5億5000万円。