行政・団体日本物流団体連合会(物流連)は3日、ホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴う燃料供給危機に関する声明を発表した。正副会長を構成するトラック、海運、航空、鉄道、倉庫、宅配の8者が連名で、荷主企業や関係事業者に対し、納品リードタイムの柔軟化や燃料サーチャージ導入への理解、燃料節約への協力を求めた。個別団体や行政による要請が続くなか、物流業界が横断で危機対応を訴える声明が出た。(編集長・赤澤裕介)
声明に名を連ねたのは、日本船主協会、全日本トラック協会(全ト協)、日本内航海運組合総連合会、全国通運連盟、日本倉庫協会、ヤマトホールディングス、ANAホールディングス、JR貨物(日本貨物鉄道)。
物流連は、燃料供給の量的不足と価格急騰の「二重の危機」に直面していると訴えた。トラック・宅配業界では一部で燃料油の供給停止や制限が発生し、内航・外航海運でも港での重油調達に支障が生じているという。事態が長期化すれば、製造業、小売業、医療・福祉を含む幅広い産業と国民生活に深刻な影響が及ぶとの認識を示した。
要請は3点に及ぶ。荷主企業には、納品リードタイムの柔軟な設定や共同配送の推進など物流・配送の効率化への協力を求めた。加えて、急激な燃料コスト上昇に伴う燃料サーチャージの導入や運賃・料金改定への理解を要請した。さらに、限りある燃料を分かち合うため、当事者が等しく節約に取り組む必要性への理解も訴えた。
個別対応から横断対応へ
燃料危機を巡っては、加盟団体や行政がすでに個別に動いていた。今回の物流連声明は、そうした個別要請を物流業界横断の要求として示した。
日本船主協会の長澤仁志会長は3月23日、金子恭之国土交通大臣との面談で、ペルシャ湾内に日本関係船45隻と日本人船員24人が足止めされている状況を報告し、外交的解決を求めた。全ト協も3月27日、日本バス協会、全国ハイヤー・タクシー連合会と共に国土交通大臣に軽油の安定確保を要望した。寺岡洋一会長は、全国の会員事業者から軽油の配達を断られたとの報告が相次いでいるとし、廃業に追い込まれる事業者が出かねないとの危機感を訴えた。
国土交通省も公正取引委員会委員長、中小企業庁長官と連名で荷主団体に対し、運送事業者への燃料サーチャージ制度の導入など取引条件の見直しに応じるよう要請していた。これに対し物流連声明は、特定の輸送モードや個別取引の範囲を超え、荷主企業、関係事業者、国民にまで対象を広げて協力を求めた。
物流連は声明で「今回の危機は一業界のみで克服できるものではない」とした。燃料危機を物流事業者だけの問題にとどめず、荷主や国民を含むサプライチェーン全体で負担と対応を引き受けるべき課題として位置づけた。
◆ この記事をより深く理解するために ◆
・燃料価格、現物供給、代替ルートの3課題が同時進行する構造を整理
「封鎖1か月、物流を襲う3つの波」(4月1日)
・海運・航空に続きトラック運送でもサーチャージ導入が広がる動き
「海上に続き空と陸にも燃料サーチャージ」(3月22日)
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「備蓄放出、届くまで何日か」(3月14日)
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