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ナフサ不足で製造業4万社超に調達リスク、TDB

2026年4月17日 (金)

調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)は17日、ナフサ由来製品のサプライチェーンに関する分析結果を公表した。主要な石油化学メーカー52社を起点に、1次取引と2次取引までの商流をたどったところ、関連する製造業は全国で4万6741社に上り、対象とした15万社のうち30.4%を占めた。中東情勢の緊迫化によるナフサ価格の高騰と供給不安が続けば、国内製造業の3割で調達リスクが顕在化する可能性がある。

ナフサはエチレンやプロピレンといった基礎化学品を経て、合成樹脂や中間材として幅広い製品に使用される。自動車部品や電機製品、衣料品、医薬品、食品包装など川下産業への裾野が広く、供給制約や価格上昇はサプライチェーン全体に波及しやすい。3次以降の取引や最終製品まで含めれば、影響範囲はさらに拡大するとみられる。

企業規模別では売上高1000万-5000万円未満が2万7956社で最多となり、5000万-1億円未満を含めると売上高1億円未満の企業が全体の9割を占めた。価格転嫁余力の乏しい中小企業への影響が大きく、コスト増が収益圧迫や事業継続リスクに直結する。

業種別では「化学工業、石油・石炭製品製造」が67.2%と最も高く、環式中間物製造(88.4%)、接着剤(87.3%)、界面活性剤(84.0%)などで依存度が顕著だった。ゴム製品製造も51.5%と半数を超え、自動車や建設、医療用途まで広く影響が及ぶ。さらに、パルプ・紙・紙加工品製造は48.9%で、ポリエチレンラミネート紙や包装紙など食品関連用途にも波及する。ハンバーガー包装紙やコーヒーフィルターといった日常消費材にも影響が及び得る。

足元ではエチレン設備の減産に伴い、シンナーなど溶剤の供給が不安定化し、プラスチックや合成ゴムでも調達難が顕在化している。住宅設備や断熱材、食品用フィルムなどで値上げや受注制限が相次ぐなど、川下産業への影響はすでに広がりつつある。

同社の調査では、中東情勢による原油高・供給不安について96.6%の企業が「マイナス影響あり」と回答。4割超が「6か月未満」で主力事業に影響が出ると見込み、製造業では22.8%が「3か月未満」で重大な影響を受けるとした。価格上昇を受け入れても調達不安が解消されないとの指摘もあり、供給面の不確実性が経営リスクとして意識されている。

政府は必要量の確保は可能としているが、流通段階での目詰まり解消が課題となっており、短期的な正常化は見通しにくい。TDBは、ナフサ由来製品の供給網は裾野が広く、多くの製造業で連鎖的な調達リスクや事業縮小リスクに直面する可能性があると分析している。

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