ロジスティクス日本加工食品卸協会(日食協)は28日、「メーカー・卸間次世代標準EDI推進協議会」による「事前出荷情報(ASN)の運用指針」(初版)を公表した。酒類・加工食品・菓子分野におけるメーカーと卸間の納品業務について、検品レス・伝票レスを前提とした標準運用を示したもので、業界横断での物流効率化と生産性向上を狙う。
同協議会はメーカー、卸、VAN(付加価値通信網)事業者など計40社超が参画し、EDI(電子データ交換)の標準化と業務運用の見直しを進めてきた。ドライバー不足や長時間労働、納品待機の常態化といった構造課題の解消に向け、従来の紙伝票と立会検品に依存した納品プロセスは、荷卸し時間や待機時間の長期化を招き、物流資源の制約要因となってきた。
今回の指針では、ASN(事前出荷情報)を軸にしたデータ連携により、納品前に商品情報や数量、賞味期限などを共有。納品時は外装確認やパレット単位の簡易検品にとどめ、立会検品を原則不要とする「検品レス」を実現する。また紙の納品伝票を廃止し、「配送指示書」と受領データの電子連携に置き換えることで「伝票レス」も推進する。
ASNの運用は3段階で定義される。日別・拠点別の基本情報を扱う「レベル1」、車両単位での管理を行う「レベル2」、パレット単位まで詳細化する「レベル3」で構成される。特にレベル2を基本としつつ、導入障壁の低いレベル1からの段階的移行を想定している。データは納品前日17時までに送信し、受領データは納品翌日までに返送する運用を標準とした。
効果として、メーカー側では納品連絡のデジタル化や荷卸し時間短縮、ドライバー拘束時間の削減が見込まれる。卸側でも入荷受け付けや検品作業の効率化、ヒューマンエラー低減、バース運用の最適化などが期待される。双方に共通する効果として、ペーパーレス化やデータ活用による業務の高度化が挙げられる。
一方で、検品レス運用には納品精度の担保が前提となる。指針では、対象拠点で納品率99.9%以上を一定期間(3か月程度)維持することを導入条件とし、基準を下回った場合は立会検品に戻す運用も明記した。数量差異や破損などの瑕疵対応についても、納品後3営業日以内の申告と原因究明のルールを定めている。
また、ASN未対応メーカーとの混載便では従来検品を併用するなど、現場実態に配慮した移行措置も盛り込んだ。データ連携ではVAN事業者を介した標準メッセージの整備や、物流事業者によるASN作成も可能とするなど、導入ハードルの低減を図る。
食品物流は多頻度小口・短リードタイムという特性から、紙と人手に依存した運用が残りやすい。今回の指針は、製配販を横断した業務標準の提示により、現場起点の非効率を是正する試みといえる。ドライバー不足が深刻化するなか、納品プロセスの簡素化とデータ連携の高度化をどこまで実装できるかが、業界全体の持続性を左右する。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。






























