国際メルセデス・ベンツ・トラック(ドイツ)は17日、欧州の部品調達物流でバッテリーEVトラックの実運用データを公表し、長距離輸送やシャトル輸送で一定の実用性と経済性を確認したと発表した。同社はドイツ国内のガゲナウ、カッセル、マンハイム、ヴェルト・アム・ラインの4生産拠点で、今後数年をかけて自社が輸送責任を負う生産部材の調達輸送を全面的に電動化する方針を掲げている。
すでにヴェルト・アム・ラインの組み立て工場向け調達ルートの30%でEVトラックを使用している。生産ネットワーク全体では、初代と2代目の「eActros」を中心に80台のEVトラックが日常運行しており、累計走行距離は600万マイルを超えた。2025年11月から26年3月にかけて、15台超の車両から得たテレマティクスデータをもとに、3000件超の輸送と3100件の充電イベントを分析した。

(出所:ダイムラー・トラック)
実運用例では、物流会社ザイフェルトが運行するヴェルト・アム・ライン-ビーレフェルト間で、平均連結総重量36トンの「eActros 600」が1日600キロを走行した。充電の半分は公共充電設備を利用し、月間4000ユーロ超の通行料金削減、年間90トンのCO2e削減につながるとしている。冬季を含む期間の平均電費は100キロあたり100キロワット時で、ディーゼル換算では11リットル相当だった。
一方、ゲルマースハイム-ヴェルト・アム・ライン間のシャトル輸送では、物流会社のロジスティック・シュミット(同)が1日8往復、計352キロを運行している。平均総重量は30トンで、充電は積み降ろし時間中に完了するため追加の待機時間は発生していないという。月間通行料金の削減額は2300ユーロ超で、3台のeActrosが従来のディーゼル車を置き換えた。
イタリア・南チロルからヴェルト・アム・ラインに向かうフェルカム(イタリア)の国際長距離ルートでも、eActros 600は最大42トンの連結総重量で1日600キロを走行した。勾配や冬季気温の影響を受けるルートながら、平均電費は100キロあたり92キロワット時で、回生量は100キロ当たり25キロワット時に達した。年間CO2e削減量は90トン、月間通行料金の優位性は3900ユーロとしている。
ただし、EVトラックの普及には充電インフラの整備が前提となる。同社は、荷主や物流事業者による拠点充電、事業者間で共有する半公共充電、ミレンス(オランダ)などが進める公共急速充電網の3領域が並行して広がる必要があるとみている。既存インフラでも一部の輸送用途は成立しているものの、道路貨物輸送の脱炭素化を加速するには公共充電網の拡充が欠かせない。
eActros 600は621キロワット時のバッテリーを搭載し、中間充電なしで500キロの航続距離を想定する大型EVトラック。法定休憩中の充電を組み合わせれば、1日1000キロ超の運行も可能としている。メルセデス・ベンツ・トラックは今後、キャブやバッテリー数、ホイールベース、軸構成を広げ、40種類超のベース車両を展開する計画だ。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。





























