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先進航空モビリティー市場、2040年に5社集約も

2026年6月19日 (金)

調査・データ米経営コンサルティング大手ATカーニーの日本法人(東京都港区)は18日、先進航空モビリティー(AAM)の旅客飛行市場を分析した論考を公開した。AAMは、高密度な都市部や郊外、公共交通が十分でない地域などで、人や貨物を運ぶ新たな航空輸送を指す。電動垂直離着陸機(eVTOL)や短距離離着陸機(sTOL)を使う市場で、同社は都市航空モビリティー(UAM)、都市圏航空モビリティー(MAM)、地域航空モビリティー(RAM)の3類型に分けて事業化条件を整理した。

論考では、旅客AAMは貨物用途に比べて立ち上がりが遅れる可能性が高いとした。機体認証などの規制対応に加え、安全性に対する社会的受容のハードルがあるからだ。一部のeVTOLメーカーでは、認証要件の変更を受けて想定時期を少なくとも1年遅らせ、2025年以降に見直す動きも出ている。

市場構造については、2030年までに商業展開へ向けた資金需要が強まり、OEMの再編が進む可能性を示した。とりわけスタートアップ製造企業は、提携先や資金調達先の確保を迫られる。ロータークラフトやターボプロップなど隣接市場の例を踏まえると、2040年までにOEM市場の90%を5社程度が占める可能性があるという。

UAMが大量輸送規模に達するには、自律運航が必要になる可能性が高い。短距離移動では自動車や鉄道など代替手段が多く、価格に敏感になりやすいためだ。操縦士席をなくすことで、旅客1席あたり30-50%のコスト削減余地があるとした。規模拡大時には、操縦士の採用や訓練が供給制約になる可能性もある。

一方、RAMでは航続距離と搭載量の要件が厳しく、バッテリーのエネルギー密度や出力密度が制約になりやすい。このため、ターボジェネレーターによる飛行中充電や、水素と電動を組み合わせたハイブリッド推進が有力な手段になるとみている。

AAMの普及には、機体開発だけでなく、発着施設であるバーティポートの配置、低高度空域の設計、専用サプライチェーンの整備が必要になる。UAMで都市内の大量輸送を担うには、人口100万人あたり10か所のバーティポートと、それぞれ2-3の発着パッドが必要とした。AAM機体数は2040年以降に10万機を大きく超える可能性があり、メーカーには自動車産業に近い量産体制が求められる。

実装の順序は、比較的短い航続距離とプレミアム旅客需要を持つMAMが先行し、2030年以降にRAM、2040年ごろにUAMが広がるとの見方を示した。

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