ロジスティクス日本航空(JAL)と日鉄ソリューションズ(NSSOL)は24日、空港業務における安全管理の高度化を目的に、生成AI(人工知能)を活用した社内システム「JAL-AI FALCON」の構築を進め、運用を開始したと発表した。過去10年分、22万件に及ぶヒヤリハット情報を分析し、リスク要因の特定や対策立案を支援する仕組みで、2026年2月から実際の安全管理業務で活用されている。
航空業界では、インバウンド需要の拡大などに伴い空港利用者数が増加しており、安全対策のさらなる高度化が求められている。JALでは毎月1800件のヒヤリハットリポートが集まり、膨大な定性データが蓄積されていた一方で、過去事例を横断的に分析し、予防的な安全対策へつなげることが課題となっていた。
今回構築したFALCONでは、NSSOLのAI活用支援サービス「NS Craft AI Factory」を活用。AWS基盤上で過去のヒヤリハット情報を生成AIが分析し、類似事象の抽出やリスク要因の整理、対策案の提示までを支援する。これにより、従来は担当者の経験や知識に依存していた分析業務の効率化と高度化を図る。
システム開発では、生成AIの業務適用における課題とされる要件定義や精度評価、現場定着に重点を置いた。PoC(概念実証)を通じて実現可能性を検証したほか、航空業界で活用される「4M5E分析」などのフレームワークやベテラン担当者の知見を反映。さらに、現場からのフィードバックを取り込みながらアジャイル開発を進め、分析観点や出力内容の改善を重ねたという。
物流・運輸業界では、安全管理の現場で日々蓄積されるヒヤリハット情報や事故報告書などの定性データを十分に活用できていないケースも少なくない。今回の取り組みは、生成AIを活用して膨大な安全関連データを分析し、予防的なリスク管理につなげる事例として注目される。
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