ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

米輸送価格指数が過去最高、燃料高と供給制約で

2026年6月26日 (金)

調査・データ米3PLのITSロジスティクスは25日、6月のサプライチェーン報告を公表し、燃料価格上昇と輸送能力の制約が米国の物流コストを押し上げているとの見方を示した。需要は弱含みながら、規制対応や取締り強化で市場から輸送能力が退出し、荷主の輸送費負担が高まっている。

同報告によると、5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.2%上昇し、2年超ぶりの高水準となった。食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.2%、前年同月比2.9%にとどまり、インフレ圧力の大きな要因が燃料価格にあることを示した。中東情勢と高止まりする物価を背景に消費者心理も悪化し、消費はガソリンや食品など必需品へ向かっている。ガソリンスタンドの小売売上高は前年同月比26.5%増となり、裁量消費品の荷動きに影響する可能性がある。

輸送市場では、ロジスティクスマネージャー指数(LMI)の輸送価格指数が5月に96.0となり、過去最高を記録した。ドライバン、冷凍・冷蔵輸送の運賃は5年平均を大きく上回り、機材掲示数や荷物対トラック比率も季節要因を調整してもタイトな状態が続く。商用車安全同盟(CVSA)の年次取締週間後にはDATデータで一部運賃の小幅低下もみられたが、州・連邦レベルの法規制や取り締まりが輸送能力の退出を促し、供給側から価格を押し上げている。

コスト上昇はトラック輸送にとどまらない。UPSとフェデックスはネットワーク再編を進めながら、1個あたり収入の引き上げを図っている。UPSは2026年にすでに23施設を閉鎖し、さらに27施設の閉鎖を計画している。フェデックスも「Network 2.0」による統合を進めており、小口配送やラストマイルでも荷主の選択肢と費用構造が変わりつつある。

倉庫分野では、5月の在庫コスト指数が前月から9.4ポイント上昇して84.1となり、22年5月以来の高水準となった。在庫水準が横ばいの一方で保管費用が上昇しており、数量増ではなく保有コストそのものが企業負担を増やしている。

港湾では、25年の前倒し輸入の反動後、コンテナ輸入量が季節的な動きに戻りつつある。デカルト・システムズ・グループ(カナダ)の6月グローバル海運報告によると、米国のコンテナ輸入量は242万8758TEUで、前月比6.6%増だった。中国発輸入は前月比19.9%増、前年同月比28.1%増と大きく回復したが、通商摩擦の再燃が今後の伸びを抑える可能性もある。

ITSは、単一キャリアに依存する輸送体制や固定的なネットワーク設計では、運送会社の再編や輸送需給のひっ迫による影響を直接受けやすいと指摘。複数キャリアの活用、ゾーンスキッピング、需要地に近い在庫配置など、従来は最適化策とされた手法が、コスト管理の前提になりつつあるとしている。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。