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AZ-COM、松伏740億円プロジェクトのEAST公開

2026年8月21日 (金)

拠点・施設AZ-COM丸和ホールディングスは21日、同社が埼玉県松伏町に開発した物流センター「AZ-COM Matsubushi EAST(アズコム松伏イースト)」の投資家・メディア向け合同視察会を開催した。

▲AZ-COM Matsubushi EAST。手前は隣に建設中でマツキヨココカラ&カンパニーが入居予定のWEST(ウエスト)

開会にあたり、同社の藤田勉専務(経営戦略グループ長)より挨拶が行われた。藤田氏は当センターの立地について、「吉川市や松伏町は創業者の故郷であり、当社にとって縁の深い場所だ」と説明。「これから売上高3000億円、4000億円、さらには1兆円を目指す企業として大きな基盤を作り、開通予定の東埼玉道路による優れた利便性を生かして、世界に羽ばたく基幹センターにしていく」と今後の展望を語った。

▲AZ-COM丸和ホールディングスの藤田勉専務

続いて、事業戦略部長の谷津恭輔氏より施設の概要と戦略について説明があった。谷津氏は総額740億円を投じたプロジェクトについて、「単にスペースが空いているから埋めるという営業はしていない」と強調。「成長していく市場や顧客に経営資源を集中投下していく」と述べ、埼玉県内でスーパーマーケットを展開するマミーマートやミスタードーナツ、オノデラグループなどを例に挙げながら、ターゲットを絞った戦略的入居であることを説明した。

また、当センターの大きな強みであるBCP(事業継続計画)と免震構造について、谷津氏は東日本大震災の経験を交えながら、「耐震構造のセンターでは復旧に3か月以上を要したのに対し、免震構造では商品がラックから落ちることがほとんどなかった。我々が目指しているのは、いかなる災害時でも物流を『止めない』ことだ」と力説した。

▲事業戦略部長の谷津恭輔氏

地下の免震装置の見学時にも、「一般的な耐震構造は建物自体を頑丈にして揺れに耐えるが、免震構造は建物と基礎の間に装置を挟み、揺れを直接伝わりにくくする」と詳しい仕組みが解説された。こうした構造であることから、最近発生した地震の際にも建物自体は揺れたものの、ラックから商品が落ちることはなかったという実績も紹介され、敷地内地下の約30万リットルの燃料タンクや非常用発電機とともに、食のインフラを守り続ける堅牢さが示された。

▲4階の常温エリアの奥にはカーテンで仕切られた低温室が設けられており、チョコレートなどの高温に弱い商品を保管できるようになっている

同施設の4階と5階は、マミーマート向けの常温商品(お菓子、飲料、調味料、加工食品など)を取り扱うエリア。同社では川口から東の埼玉エリアのマミーマート店舗への物流センターを担っており、県内にある90店舗中41店舗への配送を受け持つ。常温センターでありながら「夏場はチョコレートやグミなど保冷が必要な商品をカーテンエリア内で24度以下に保つ」と品質管理の徹底が行われている。

また、5階には統合配車室が設置され、全国の自社便や協力会社便の動態をモニターで一元管理。「将来的には配車の割り当てから請求業務まで全てデータ化し、一元管理することを目指している」とデジタルトランスフォーメーションの構想が明かされた。同じく5階には、同社に1000人ほどいるオペレーション担当者を対象とする「安全道場」が置かれている。この施設では、「見て、体験して、感じる教育を通じ、一人ひとりの安全意識向上と現場での実践を目指す」として、労働災害防止に向けた取り組みが紹介された。

▲統合配車室ではデジタコで各車両の動きをモニターすると同時に、気象状況や道路状況をリアルタイムでチェックすることで、安全で効率的な配車を行う

3階は全国1000店舗超を展開するミスタードーナツの関東物流センターとして位置づけられており、関東圏および長野・新潟エリアの店舗への原材料供給を担う。配送車両は全て輸送時冷凍対応で、前方に冷凍品、後方にドライ・チルド品を積載し、1台で3温度帯の商品を同時配送可能。1台のトラックで5-6店舗を効率的に巡回配送する体制となっている。

2階はマミーマート向けの冷凍・冷蔵倉庫となっており、950パレットを保管可能。冷凍品は5度に保たれたチルド室で仕分けを行い、マイナス25度の冷凍室に保管するという手順を取ることで、ワーカーの負荷を低減する運用が行われている。1階もマミーマートがテナントとなっており、チルド商品(乳製品や生鮮品など)を取り扱う10度設定の冷蔵倉庫となっている。

▲400人が同時に利用可能なカフェテリア

見学後の質疑応答では、イースト棟の稼働状況について「現在は6割強で、今期中に100%の稼働を目指している」と回答があった。また、第2期工事として建設が進むウエスト棟には「マツモトキヨシが入居予定である」ことが明かされた。

設備やシステム面の質問に対しては、ミスタードーナツの低温エリアで自動倉庫を導入しなかった理由として「取扱商品のSKU(最小管理単位)数が少ないため、投資対効果の観点から自動倉庫ではなく可動ラックを採用した」と説明があった。

▲機器類の安全な扱いを指導する「安全道場」

さらに先進技術の活用として、SIPスマート物流の実証に取り組んでおり、入荷時にドライバーが持参していた納品書を電子化してデータで照合するペーパーレス化の研究を進めていることが紹介された。

閉会後の取材で谷津氏は、同拠点がAZ-COMグループにとって初めての大型拠点開発であったことから、「今までの所は入居企業と協議の上で導線を整理し、スムーズな運用開始を目指してきた」と説明。「今後は各エリアにあったマテハン機器やロボティクスの導入を推し進めるほか、倉庫や車両の管理についてもさらなる高度化を目指す」と、この拠点をさらに磨き上げていくことへの意欲を示した。

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