荷主サイカルトラスト(東京都渋谷区)は4日、半導体1個ごとに製造、検査、出荷、保守などの履歴をひも付け、複数企業をまたいで真贋を検証するシステム技術について、特許庁から特許査定を受けたと発表した。対象は特願2026-099333で、8月4日に査定を受領した。特許番号は付番後に公表する。
技術の特徴は、半導体をロット単位ではなく個体単位で識別し、製造元、商社、組み立て工場などがそれぞれ保有するデータを接続して履歴を形成する点にある。各社の既存システムを全面的に置き換えるのではなく、APIやコネクターなどで連携し、開示可能な情報だけをつなぐ。原価や取引条件などの機密情報は開示せず、検証結果のみを共有する仕組みも想定する。
個体ごとの履歴と、実際の読み取り記録や型番などに不整合があった場合は、異常が発生した可能性のある工程や原因候補を整理し、追加確認が必要な相手やデータを示す。証拠が揃うまで出荷を止める運用にもつなげ、模造品や再利用品が完成品に組み込まれる前の検知を狙う。
半導体は製造、流通、実装まで複数企業を経由する一方、各社の管理システムが分断され、個体単位の追跡が難しいことが課題となっている。同社は2025年に半導体商社の伯東と模造品対策の概念実証を実施しており、今回の技術はそこで確認した企業間データ連携の課題を踏まえたものとしている。
同社は、半導体が経済安全保障上の特定重要物資に指定されていることを踏まえ、模造品対策を個社の検査強化にとどめず、サプライチェーン全体で真正性を確認する仕組みとして展開する。ブロックチェーンや既存データベースを含む複数の記録基盤に対応するほか、AI(人工知能)による原因分析支援や耐量子暗号などに関する機能も今回の特許の権利範囲に含まれるとしている。
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