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多重下請けや運賃是正、佐々木国交副大臣が対話

2026年9月10日 (木)

行政・団体求荷求車マッチングサービスのトラボックス(東京都渋谷区)は10日、国土交通省副大臣の佐々木紀氏を交えた意見交換会「トラック新時代の現場を語る」を開催した。モデレーターはトラボックス社長の皆川拓也氏が務めた。

同会では、全国から集まった中小運送事業者の経営者らが現場の課題を共有し、佐々木副大臣と直接議論を交わした。主に「多重下請けと適正運賃」「人材確保(外国人・若手採用)」「車両価格の高騰と制度改革」の3つのテーマが中心となった。

▲国土交通省の佐々木紀副大臣

事業者からは、実運送会社に届くまでに3-4社を経由する多重下請け構造が依然として残っている現状が語られた。また、荷主に対して運賃の値上げ交渉を行っても、他社の安い見積もりに切り替えられてしまうという下値競争(ダンピング)が常態化しており、結果として業界全体で自らの首を絞めているといった意見が相次いだ。これに対し、最低運賃の縛りや、真面目にコンプライアンスを順守する企業が報われる仕組みを求める声が上がった。

これらの意見に対し、佐々木副大臣はトラック運送業の価格転嫁率が他業種に比べ低水準にとどまっている現状を認識しており、「残念だ」と率直な見解を示した。多重下請けの制限については、禁止そのものが目的ではなく、実運送を担うドライバーに適正な運賃が行き渡ることが本質であると説明した。

対策として、建設業における「建設キャリアアップシステム」(CCUS)による労務費の見える化を引き合いに出し、流業界でも導入が予定される「適正原価」の設定を進めるほか、特定荷主への規制や「トラックGメン」による荷主への監視・指導を強化していく方針を示した。さらに、今後導入される5年ごとの許可更新制度によって、いい加減な事業者が退場し、適正な経営を行う企業が選ばれるようになることで、過当競争が緩和されるとの見通しを語った。

▲トラボックス社長の皆川拓也氏

また、Gマーク取得事業者は監査において優遇されるなど、「真面目にやっている者が報われる制度はあってもいい」と述べた。

深刻なドライバー不足に関し、運送事業者からは外国人ドライバーの採用における苦労が多く語られた。外国人労働者は貴重な担い手であるものの、中型免許取得費用や生活費などのコスト負担が全額雇用側にかかるうえ、手続きの書類も膨大であるため、行政に対してプロセスの簡素化や受け入れ体制の整備を求める要望が出された。あわせて、若年層が給与や待遇面だけで就職先を選びがちであり、トラックドライバーという職業の魅力が伝わっていないという課題も提起された。

佐々木副大臣は、日本の厳格な交通ルールや免許制度の壁があるため、他業種に比べて外国人採用のハードルが高いことへ理解を示した。その上で、AI時代においてホワイトカラー職が代替されるなか、人間にしかできない技能職(ブルーカラー)であるトラックドライバーの価値は今後高まっていくと指摘した。配車アプリの普及などで若者の就職先として人気が高まっているタクシー業界の事例を参照し、「業界全体でドライバーの魅力を若い世代へ発信・啓発していくことが重要」と強く訴えた。

▲会の様子

会の終盤では、トラックの車両価格が高騰していることに加え、フェリー代や燃料代の上昇が経営を大きく圧迫している現状が共有された。また、3か月点検を実施しているにもかかわらず年1回の車検が義務付けられていることへの疑問が提示され、事業者からは経費軽減のために大型トラックの車検周期の見直しや、燃料費の補助制度などを求める声が上がった。

佐々木副大臣は、車両購入については経済産業省の中小企業支援制度(ものづくり補助金など)の活用を示唆しつつ、点検や車検などの規制見直しに関しては時代に合わせて検討すべきとの認識を示した。一方で、高速道路料金などについては省内(道路局など)での縦割りの調整が必要になる課題も認めたうえで、制度を実効性あるものにするため、「整備のあり方や経費負担軽減に関する具体的な要望を現場から取りまとめて提示してほしい」と回答した。

会の締めくくりとして、佐々木副大臣は現場の生の声を聞く重要性を強調しつつ、依然として同じ課題が現場から出ている点について「国交省の施策の実効性がまだまだ乏しいと正直反省している」と率直に述べた。その上で、「一応制度は作ったので、しっかり魂を入れて実効性のあるものにしていく必要がある。行政と現場の事業者、荷主など関係者が連携しながら、しっかり前に進めていきたい」と語り、会を締めくくった。

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