調査・データジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)は、福岡圏の物流施設市場に関する調査レポートをまとめた。福岡県と佐賀県を対象とする福岡圏では、大型物流施設の新規供給が増えており、2026年は9万3000坪、27年には16万5000坪と過去最大規模の供給が予定される。一方、生産活動や貨物輸送量に対する物流施設ストックは東京圏、大阪圏と比べて少なく、中長期ではなお供給余地があると分析した。
JLLによると、24年時点の大型物流施設ストックは東京圏700万坪、大阪圏210万坪に対し、福岡圏は46万坪。製造品出荷額に対するストック水準を東京圏=100とすると大阪圏40、福岡圏35となり、貨物輸送量に対しては大阪圏47、福岡圏23にとどまった。物流活動量との比較では、福岡圏の物流施設ストックの少なさがより鮮明となっている。
賃料は上昇が続く。12年から26年までの上昇率は福岡圏が50%で、東京圏の24%、大阪圏の16%を上回った。開発利回りも福岡圏は3.8%で、東京圏、大阪圏の3.5%を上回る。25年時点の建築費は1坪当たり67万円で、東京圏より17%、大阪圏より7%低く、開発コストと賃料のバランスが新規供給を支える要因になっている。
ただ、26年から28年にかけて36万5000坪の新規供給が予定されており、25年末の既存ストック51万1000坪に対して大規模な供給となる。27年には空室率が一時11%程度まで上昇する見通しだが、JLLは28年末時点で新規供給物件の稼働率が7割程度に達すると予測し、大量供給下でも需要は底堅いとみている。
需要を支える背景として、鳥栖ジャンクションを軸とした高速道路網、福岡空港や博多港などの国際物流機能に加え、自動車・半導体産業の集積を挙げた。九州では21―30年の半導体関連設備投資が6.2兆円規模に達する見通しで、部品保管や在庫管理、域内外への配送需要の増加につながる可能性がある。福岡空港の第2滑走路供用や北九州空港の滑走路延長、博多港・北九州港のRORO船対応ターミナル整備など物流インフラの強化も、今後の物流施設需要を下支えするとしている。
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