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「第1回 物流統括管理者連携推進会議」が始動、120社超の荷主ら集結

J-CLOP初会合、荷主の壁超え企業価値創出へ

2026年9月10日 (木)

行政・団体2026年4月に改正物流効率化法が全面施行され、特定荷主等に「物流統括管理者(CLO)」の選任が義務付けられてから初となる本格的な連携プラットフォーム、「第1回 物流統括管理者連携推進会議」(J-CLOP)が10日、国際物流総合展が開催中の東京ビッグサイトで始動した。全国から126社におよぶCLOや実務担当者、ソリューション企業、関係省庁が一堂に会し、業界の垣根を超えた継続的な共創に向けた大きな第一歩を踏み出した。

「コスト」から「企業の成長エンジン」へ――CLOに求められる経営視点

開会メッセージに登壇した日本ロジスティクスシステム協会(JILS)副会長でありファミリーマート 執行役員物流本部長(物流統括管理者)の大野泰氏は、「2030年には34%の輸送力が不足すると試算される中、対策の本番はここからだ」と強調。CLOは単なる現場の管理者ではなく、全社横断のSCM構築や投資・環境対応、取引環境適正化を主導する「経営のキープレーヤー」であり、物流を単なるコストから企業価値を高める成長エンジンへと変革させる存在だと訴えた。自身もファミリーマートで縦割り組織を打ち破り、社内改革を進めた体験を引き合いに出し、「自社最適から、企業間連携によるサプライチェーン全体最適へのシフトこそが不可欠だ」と呼びかけた。

▲JILS副会長/ファミリーマート 執行役員物流本部長(物流統括管理者)の大野泰氏

また、同協会理事でありJILS総合研究所の北條英所長は講演で、財務指標である「ROIC(投下資本利益率)」とロジスティクスの関係性を徹底解説。物流コスト削減や在庫最適化、サービスレベルのバランス検討はROIC向上に直結しており、CLOはまさにロジスティクスを通じて企業価値を高める責任を担っていると提示した。

▲JILS理事/JILS総合研究所の北條英所長

官民が足並みを揃え発信――各省庁が語る「CLOへの期待」

▲国土交通省 物流・自動車局 物流政策課長 正岡孝氏

本会議の大きなハイライトとなったのが、物流改革を主導する関係省庁の担当課長陣による挨拶だ。個社の努力だけでは乗り越えられない構造的課題に対し、それぞれの立場からCLOへの期待と「共創」の必要性が語られた。
正岡氏は「物流統括管理者(CLO)は、まさに今回の法改正の目玉だ」と指摘。CLOひとりがすべての知識を備える必要はないとし、「鍵となるのは横の連携や協働だ。自社利益を競う『競争』ではなく、ともに未来をつくる『共創』で、物流から明るい日本の未来を作り上げていきたい」と、官民一体で進める覚悟を語った。

▲経済産業省 商務・サービスグループ 流通政策課長(併)物流企画室長 佐藤猛行氏

佐藤氏は、CLOに対して2つの期待を提示。1つ目は「物流をコストセンターではなく経営の中心に据え、全社的なイニシアチブをとって改革を進めること」、2つ目は「サプライチェーン全体の最適化」だ。「物流改革によって生み出された成果が、持続的な経済成長や賃上げ、さらなる投資へと還元される好循環を実現したい」と強調した。

▲農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部 食品流通課長 原田達氏

災害対応での物流の重要性に触れた原田氏は、「流通は社会のインフラとして欠かせない命綱」と表現。鮮度保持や多段階構造といった固有課題を抱える食品流通において、「単なるコスト削減ではなく、限られた輸送力を最大限に活用する持続可能な物流が必要だ。一企業の努力には限界があり、業界の枠を超えた協力が不可欠だ」と呼びかけた。

ネットワーク形成と実践の場へ――2030年問題を見据えた挑戦

プログラムの最後には、参加企業間の人的ネットワーク形成を目的とした「情報交換ラウンドテーブル」を開催。軽食やドリンクを手に和やかな雰囲気の中で活発な名刺交換が行われ、競合の枠を超えて同じ「CLO・実務担当者」の立場で課題や連携の可能性を語り合う熱気にあふれた。

今後のJ-CLOPは、標準パレットの普及やデータ連携、共同輸送といった協調領域の検討を進めるほか、自社の立ち位置を把握できるベンチマーキング調査の実施や、メンバー企業が自主的にテーマを掲げて行動する「自主研究部会」の立ち上げなどを予定している。

2030年の物流危機という大きな節目に向け、CLOが果たすべき役割は極めて重い。単に義務化された制度に対応するにとどまらず、企業間の人的ネットワークを強固にし、実務に即した具体的なソリューションを生み出し続けること――。J-CLOPは、日本の物流を「停滞のリスク」から「未来の成長基盤」へと転換させる挑戦の場として、確かな一歩を踏み出した。

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