
▲開発した商用仕様の6インチ液化水素ローディングアーム(出所:川崎重工業)
荷主川崎重工業とTBグローバルテクノロジーズ(TBG、東京都中央区)は14日、液化水素運搬船と陸上設備の間で液化水素を荷役する、世界初の商用仕様6インチローディングアームの共同開発を完了したと発表した。川崎市で建設が進む液化水素ターミナルに3基を設置し、4万立方メートル型の液化水素運搬船への荷役に使用する予定だ。
両社は2018年に初号機を開発し、22年には液化水素荷役実証ターミナル「Hy touch神戸」で船陸間の液化水素荷役に成功した。23年8月から商用化を見据えた設計開発を進め、25年8月からことし7月にかけてJAXA能代ロケット実験場で液化水素を使った実液試験を実施した。
今回の商用仕様では、大型船舶への対応や設備の信頼性、保守性、操作性を高めた。ローディングアーム本体は構造を見直して長尺化し、回転継手のスイベルジョイントはシール構造を強化。新たなシールガスシステムを採用し、内部の圧力維持に使うヘリウムガスの消費量も削減した。
緊急離脱装置は機構を簡素化して信頼性と保守性を向上させた。船陸間継手は、差し込みを必要としないフランジ方式に変更し、作業負荷の軽減や操作性の向上、軽量・コンパクト化を図った。
設備は液化水素ローディングアームの国際規格「ISO24132」に準拠して設計・試験を行い、商用仕様としてISO認証を取得した。船陸間継手は日本海事協会の技術認証にも対応している。
開発した設備は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「大規模水素サプライチェーンの構築」における「液化水素サプライチェーンの商用化実証」で使用する予定。日本水素エネルギーが神奈川県川崎市川崎区扇島に建設する「川崎LH2ターミナル」に3基を設置する。
両社は今後、国内外の液化水素関連プロジェクトへの採用を目指し、大規模な液化水素海上輸送に必要な荷役設備の実用性向上と、世界的な液化水素サプライチェーンの構築につなげる。
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