調査・データ全日本トラック協会は27日、国土交通省から事業用自動車事故調査委員会の調査報告書について周知依頼を受け、都道府県トラック協会に対し、会員事業者への周知と安全運行の徹底を求めた。対象となったのは、2024年5月に群馬県伊勢崎市で発生した大型トラックによる死亡事故で、運転者が始業点呼後に飲酒した可能性が高く、事故前にも常習的に飲酒運転を繰り返していたとされた。
事故は24年5月6日16時15分ごろ、国道17号上武道路で発生した。大型トラックが法定速度60キロを大幅に上回る90キロ超で走行中、中央分離帯を乗り越え、対向車線の乗用車と正面衝突した後、さらに後続の乗用車にも衝突した。最初に衝突した乗用車の3人が死亡し、後続車の運転者1人が軽傷を負った。事故当時、大型トラックの運転者からは酒気帯び運転の基準値を超えるアルコールが検出された。
事故調査委員会は、運転者が始業点呼時のアルコール検査をすり抜けるため、点呼終了後に飲酒したと推定。事故直前にはアルコールの影響で感情のコントロールを失い、割り込んだ車両に憤慨したうえ、別の車両を割り込んだ車両と誤認し、高速で急なハンドル操作を行ったことで車両の制御を失ったと分析した。
事業者側についても、安全優先や法令遵守の姿勢を社内全体に浸透させられておらず、適性診断による運転特性の把握や、定期的な安全運行に関する指導監督が適正に行われていなかったと指摘した。
再発防止策としては、長時間休憩後など運行途中での携帯型アルコール検知器による確認、飲酒習慣を把握するための「アルコール使用障害スクリーニングテスト」(AUDIT)の活用などを挙げた。全ト協は、報告書を運行管理者や運転者への指導教育に活用し、安全運行の徹底につなげるよう会員事業者に求めている。
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