拠点・施設ヤマト運輸は28日、東京都江東区東雲に開設する新しい統合型ビジネスソリューション拠点のメディア向け見学会を開催した。大和ハウス工業が開発した大型物流施設「DPL東京東雲」はマルチテナント倉庫として開発されたが、ヤマト運輸が一棟借りする。宅急便ネットワークと高度な倉庫機能を一体化させた「統合型ビジネスソリューション拠点」として運用する。同社としては延床面積19万7697平方メートルの「羽田クロノゲート」(東京都大田区)に次ぐグループ最大級の拠点となり、都心近接の立地を生かして法人向け物流ビジネスの拡大を図る。

▲DPL東京東雲に開設されたヤマト運輸の新しい統合型ビジネスソリューション拠点
同拠点は地上6階建て、延床面積11万9606平方メートル。フロア構成は、1・2階に全国仕分けおよび輸配送ターミナル、2・3階に宅急便集配施設を配置し、4-6階を法人顧客向けのロジスティクスエリアに充てる。1・2階のターミナルでは江東、中央、千代田、台東、墨田の都内5区の荷物を集約して全国へ発送するほか、最新の自動仕分け機器を導入。ドライ荷物で毎時2万8800個、クール荷物で同1万4400個、合計毎時4万3200個の処理能力を備え、従来施設に比べて生産性を4割向上させた。2階には1700坪のクール便仕分けエリアを設けたほか、上層階のロジスティクスフロアでも顧客のニーズに応じて定温・冷凍保管や保税エリアの設置に対応する。

▲2階のクール便エリア
物流業界では2024年問題に伴う人手不足や、荷主企業に対する物流効率化の要請が強まるなか、同社は輸配送と倉庫機能の集約によるサプライチェーン全体の最適化を掲げる。ヤマト運輸コントラクト・ロジスティクス事業東雲プロジェクト長の弘内泰樹氏は、新拠点の価値について次のように強調した。

▲ヤマト運輸コントラクト・ロジスティクス事業東雲プロジェクト長の弘内泰樹氏
「上階のロジスティクス機能と下階の輸配送ネットワークを直結させたことで、EC(電子商取引)事業者をはじめとする荷主企業は、翌日配送分の受注締め切り時間を従来より1-2時間延長する『レイトカットオフ』が可能となり、販売機会の最大化につながる。また、施設内で流通加工を完結できるためリードタイムを短縮できるほか、拠点間の横持ち輸送や積み替えが不要になることで、輸送品質の向上とGHG(温室効果ガス)排出量の削減を両立できる。単なる配送拠点にとどまらず、顧客の事業スピードを最大化する高付加価値ソリューションを提供していきたい」

▲大和ハウス工業東京本店建築事業部長の村上泰規氏
施設ハード面では、都市型物流施設としての高効率な構造と周辺環境への配慮が施されている。全フロアに大型車が直接乗り入れ可能なダブルランプウェイを備え、最大271台のトラックが同時接車可能。開発を手がけた大和ハウス工業東京本店建築事業部長の村上泰規氏は、都市部ならではの設計思想について「都心部や湾岸エリアのBtoB、BtoC双方のラストマイル需要に応える好立地を最大限に生かすため、ダブルランプウェイを採用した」と説明。一方で、周辺には住宅やオフィスビルが近接しており、同社としても初の試みとして車路およびランプウェイを完全密閉型とし、トラックの走行音低減や夜間のライトによる光害防止を徹底したという。

▲ダブルランプウェイについての説明を行う大和ハウスの村上氏。ランプウェイは外壁が設置され、トラックの音と光が外に漏れない構造
さらに同施設は地域共生やBCP(事業継続計画)拠点としての機能も併せ持つ。1階には従業員や地域住民が利用できる保育施設「ママスクエア」を設置。働きたい気持ちがあっても幼い子供がいるために働けない人のための施設で、乳児を預けることもできる。最上階には眺望に優れたラウンジを整備。今後ますます難しくなることが予想される人材確保に寄与する施設も充実している。

▲施設内に設けられた託児施設には最大14人の児童に対応可能
新拠点は9月に一部機能の利用を開始しており、11月中に仕分け機能の一部が稼働する。その後、営業所などが順次入居し、2027年4月にほぼ満床での本格稼働を迎える見通しだ。首都高速道路・晴海線の豊洲出入口から1.5キロ、羽田空港や大井コンテナ埠頭へも車で20分という陸海空の結節点としての利便性を武器に、都心部における次世代の物流中核拠点として稼働を本格化させる。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集局にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集局直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集局
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。


































