ロジスティクストラックドライバーの運行記録を会社から本人に帰属させる「トラックマイレージ」の構想が明らかになった。パイロットの飛行記録のように個人の実績をデータとして蓄積し、正当な評価や待遇改善につなげる狙いだ。DX(デジタルトランスフォーメーション)に必要な技術やソリューションはすでに数多く存在する。
こうしたDX実装課題に正面から向き合う「第4回物流DX会議2026」。本誌LOGISTICS TODAYが主催し、物流DXコンソーシアムが協力するこの会議は「The Implementation -実装-」を全体テーマに掲げ、10月28日から30日まで3日間集中配信する。
特別セッションにはワンロジの吉岡泰一郎社長と本誌の赤澤裕介編集長が登壇し、ドライバーの地位向上策を議論した。吉岡氏は金融機関やトラボックス社長を経てワンロジを設立し、現在は運送会社をサポートする企業8社の顧問も務める。

▲ワンロジの吉岡泰一郎社長
同氏は54歳で大型トラックの免許を取得した経験に触れ、「都内の教習所は乗用車仕様で狭く、ローカルルールもありカーブを曲がるのも難しい。一般道でも木や自転車に気を使い、比較できないくらい難しい」と語り、毎日トラックを乗りこなすドライバーの日常の苦労を代弁した上で、「もっとリスペクトして、賃金を与えてほしい」と訴えた。
物流業界は将来的な輸送力不足の懸念を抱える一方、ドライバーの平均賃金は全業種平均と比較して18%低い水準だ。過酷な業務に対して業界全体がドライバーを正当に評価していないという問題意識を両氏は共有した。
この状況を打破する解決策としてトラックマイレージを提唱した。これは走行距離や乗務時間、無事故記録などを個人のデータとして蓄積する仕組みだ。ドライバーの転職時にも適正な賃金交渉に役立てることができる。
赤澤氏は「以前の会社で15年間無事故で、1日にこれだけの距離を走ったから給料をこれだけ欲しいと面接で言っても、エビデンスがなければ信用できない」と指摘した。客観的なデータがあれば、ドライバーは実績を証明し、適正な待遇や賃金交渉が可能となる。家族や社会に対して仕事の成果を明確に示す効果も持つ。
吉岡氏は他業界の動向にも言及した。「タクシー業界は新卒が増え、正当に評価しやすい環境を持つ」と述べ、建設業界などの取り組みから良い部分を学び、ドライバーの待遇改善に取り入れる意欲を示した。運送会社にとっても客観的なデータに基づき求職者を正当に評価し、自社の優秀なドライバーの実績を荷主にアピールする利点を持つ。これを他社との差別化や運賃引き上げ交渉の根拠とする。
多額のIT投資が難しい中小零細企業でも、個人のスマートフォンを起点としてデジタル化を後押しする。全国的な統計データの構築や運賃相場の透明化を促す効果も期待される。吉岡氏は「特別なIT投資が厳しい中小零細企業でも、ドライバーのスマートフォンを活用すればデジタル化が進む」と強調した。新しく一からシステムを作るのではなく、すでに存在する情報を活用するため導入の障壁は低い。同サービスは11月中に提供を開始する予定だ。
現場の声を国の施策に反映させるため、「運びと地位向上全国キャラバン」を各地で開催中だ。10月22日の横浜市に続き、29日に名古屋市、12月9日に静岡市で実施する。
現在、国が運送業の適正な運賃や原価を定める「適正原価制度」の議論が進んでおり、その骨格が年末までに決まる見通しとなっている。吉岡氏は「骨格が決まる前に現場の声を届けないと取り返しがつかない」と述べ、早期に事業者の声を国へ届ける必要性を説き、イベントへの参加を強く呼びかけた。
集中配信2日目となる29日のセッションでは、ロジザードが登壇し、共通デジタル荷札「Bit Waybill」(ビットウェイビル)との連携構想について説明をする。
同システムは、サプライチェーン上のパレット単位の移動情報をブロックチェーンで記録するサービスであり、両システムが連携すれば、貨物の移動情報と運送データが結びつく。これがフィジカルインターネット実現に向けた強力な推進力となる。

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・10月27日更新版
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・10月27日更新版
配信期間:2026年10月28日(水)-30日(金)の3日間限定
※3日間集中配信「物流DXウィーク」
開催形式:オンライン配信(事前登録者限定)※セッション単位で視聴可能
参加費 :無料(事前登録制)
主 催:LOGISTICS TODAY
協 力:物流DXコンソーシアム
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