財務・人事飯野海運が5日発表した2027年3月期中間連結決算は、売上高が前年同期比22.7%増の749億7000万円、経常利益が同10.0%減の59億2700万円、最終利益が62.0%増の121億1000万円となった。ケミカルタンカーやドライバルク船の市況が堅調に推移し、売上高は2割を超える増収となった。一方、支払利息や為替差損の増加などで経常減益となったが、船舶などの固定資産売却益が最終利益を押し上げた。
外航海運業の売上高は26.7%増の626億1400万円、営業利益は4.7%増の41億4300万円となった。大型原油タンカーは、中東情勢の緊迫化に伴う原油調達先の多様化に伴う輸送距離の伸長や輸送効率の低下を背景に船腹需給が引き締まり、市況は高値圏で推移した。同社は長期契約を中心に安定収益を確保した。
ケミカルタンカーでは、ホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴う配船制限の影響を受けたものの、米国やアジア発の長距離スポット貨物を取り込み、収益を確保した。大型LPG船も北米産LPGの出荷増加やパナマ運河の通航制限に伴う迂回輸送で船腹需給が引き締まり、高水準の市況が続いた。ドライバルク船は穀物や石炭の底堅い輸送需要に加え、商流変化による長距離輸送の増加が追い風となった。
内航・近海海運業の売上高は7.9%増の51億3800万円、営業損益は2億9000万円の黒字となり、前年同期の3億400万円の赤字から改善した。内航ガス輸送では入渠による影響が前年同期より小さくなり、効率的な配船も寄与した。近海ガス輸送は中国経済の減速やアジア各国のプラント減産などで市況が低迷したものの、中長期契約を中心に収益を確保した。
不動産業は、東京都心のオフィスビルの安定稼働や商業フロアの入居率上昇などにより、売上高が4.4%増の72億7900万円、営業利益が6.0%増の22億4300万円となった。
連結の経常利益は、前年同期の65億8400万円から減少した。営業利益は15.7%増加したものの、受取配当金の減少や支払利息、為替差損の増加などが響いた。一方、固定資産売却益70億1100万円などを特別利益に計上したことで、最終利益は大幅に増加した。
同社は中間期の経常利益が従来予想を44.6%上回ったことに加え、今後もケミカルタンカーやドライバルク船の市況が堅調に推移すると見込み、27年3月期通期の業績予想を上方修正した。売上高を従来予想の1360億円から1490億円、経常利益を96億円から117億円、最終利益を140億円から158億円に引き上げた。新たな経常利益予想は前期比30.7%減となる。
通期予想は26年度中、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が継続することを前提としている。第3四半期以降の船舶燃料油価格の想定は1トン当たり580ドルから940ドルに引き上げ、為替レートは1ドル155円に据え置いた。
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