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4月の内航輸送、貨物船・タンカーともに対前年マイナス

2016年6月9日 (木)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほどまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、4月の貨物船輸送量は1594万5000トン(前年同月比8%減)と前年実績を下回った。油送船(タンカー)の輸送量は1010万4000トン(キロリットル)で6%減となった。

貨物船に分類される貨物のうち、鉄鋼は前月に続いて減産などで環境が改善せず6%減。原料はスラグなどの落ち込みや鉄の減産、石灰石船の入渠の影響から7%減少した。燃料は、前年は石炭の輸送船の海難事故のため輸送量ゼロの事業者があった一方、ことしは輸送面では回復した反面、石炭火力発電所の定修で輸送の減少があり前年並み。

紙・パルプは、国内販売が振るわず5%減だった。雑貨は復興用建材・部材(プレキャスト・コンクリート)のほか、砂糖、飲料、半完成品(CKD)の輸送が堅調だったことに加えて、4月中旬に発生した熊本地震で、米や飲料などの緊急輸送や代替輸送など増加要因もあった反面、入渠船の入渠期間が例年より長くなった船舶もあり前年並み。

自動車は、販売不振のほか、熊本地震発生のため工場が操業停止して10%減少。セメントは、元々の在庫が高かったが、初旬から中旬にかけて荒天による輸送障害があったことから、さらに在庫が積み上がった。入渠船、工場の定修、一部で係船もあり10%減少した。

タ ンカーは黒油が17%減、白油が前年並み、ケミカルが6%減、高圧液化が10%減、高温液体が2%増、耐腐食が1%減――となった。黒油はボンドバンカー向けや製油所転送輸送もあったが、石油火力発電所向けの電力需要の落ち込みで減少した。

白油(ガソリン・灯油・軽油)は月前半が北海道地区の低温で灯油輸送の増加があったものの、悪天候による不荷役や避難などもあり前年並みだった。