日立化成、タイに自動車用ブラシの生産拠点

荷主日立化成工業は15日、タイ子会社の日立パウダードメタルズ（タイランド）が自動車用カーボンブラシの生産拠点を新設し、4月下旬から段階的に生産を開始すると発表した。

同社では、東日本大震災を機に自動車用ブラシの安定供給を図るため、生産拠点の分散化検討していた。既存工場・敷地を活用することで早期の生産拠点立ち上げと、投資費用抑制が可能なことから、タイ子会社内に自動車用ブラシの生産拠点を新設することにしたもの。

国内拠点に加え、タイ拠点を活用して、中国、東南アジア諸国、インドでの自動車部品需要を取り込み、2015年度に自動車用ブラシの売上高を、東日本大震災前の水準以上に回復させたい考え。

自動車用ブラシは、自動車のスターターやラジエーターファン、ワイパー、パワーウィンドウなどの各種モーターの回転部と褶動接触し、電流を流すための部品で、日立化成の山崎事業所などで生産しているが、日系、海外自動車メーカー、自動車部品電装メーカーなどの顧客企業が中国、東南アジア諸国、インドで生産拡大を計画していることから、日立化成グループにも自動車用ブラシの現地生産・供給の要請が寄せられていた。