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トヨタ社長「日野がいると迷惑かけてしまう」、CJPTから除名

2022年8月24日 (水)

▲認証試験不正について会見で謝罪する日野自動車の小木曽聡社長

荷主トヨタ、日野、いすゞの3社が2021年4月に共同で設立したCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT)は24日、日野自動車が起こした認証試験不正を踏まえ、CJPTから日野を除名する、と発表した。

CJPTはコネクテッドや自動運転を進める「CASE」(Connected、Autonomous、Shared&Services、Electricの頭文字をとったもの)を普及させる活動を通じてカーボンニュートラル社会の実現やドライバー・作業者の負荷軽減を目指しているが、トヨタの豊田章男社長から「今回、日野が起こした不正行為は、CJPTが共有する想いや目指す道とは相いれないものであり、このまま日野を含めて活動を進めることは、顧客や社会の皆からの理解を得ることができないのではないか」との投げ掛けがあり、CJPT内での議論を経て、除名を決めたという。

具体的には、共同企画契約など全ての契約から日野を除外するとともに、日野がCJPTへ出資している株式10%をトヨタに譲渡する。先に公表された福島、東京での社会実装など、現在CJPTが取り組んでいるプロジェクトでは「顧客にご迷惑をおかけすることがないよう、日野には必要最小限の役割を果たしてもらう」(CJPT)としている。

豊田社長は「今回日野が起こした認証試験不正は、顧客をはじめ全てのステークホルダーの信頼を大きく損なうものであり、日野の親会社としても、株主としても、極めて残念に思う。長期間にわたりエンジン認証での不正を続けてきた日野は、550万人の仲間として認めていただけない状況にある。CJPTは日本のCASE技術をベースに、みんなで未来をつくるプロジェクトだ。現状では日野がいることで皆にご迷惑をおかけしてしまうと考え、CJPTから日野を除名することが適当だと判断し、関係各社とも協議の上、今回の結論に至った。パートナーとは引き続き、輸送業が抱える課題の解決や、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指して、プロジェクトを進めていく」と、日野抜きでCJPTを進めていくとの考えを表明。

日野は「今回の決定を大変重く受け止めている」などとするコメントを発表した。

■日野自動車のコメント全文(ママ)

Commercial Japan Partnership Technologies株式会社において、認証不正問題を踏まえ当社を除名するという意思決定がなされ、本日公表されました。当社として、今回の決定を大変重く受け止めています。

当社はこれまで、社会課題の解決への貢献を掲げ、様々な取り組みを進めてまいりました。しかし、エンジン認証において長期にわたる広範な不正を行ったという事実に鑑みると、そのスタート地点にさえ立てていなかったと言わざるを得ません。

まずは、起こした不正の深刻さおよびその真因を正面から受け止め深く反省し、正すべきを正してまいります。そして、人流や物流を支えるという商用車メーカーの原点に立ち返り、社会から再び必要としていただける企業として生まれ変わるための変革に、強い覚悟を持って取り組んでまいります。

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