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近畿圏物流施設、供給抑制下で需給ひっ迫続く

2026年4月15日 (水)

調査・データシービーアールイー(CBRE)が14日発表したレポートによると、近畿圏の大型マルチテナント型物流施設(LMT)市場は、低空室率と高い需要を背景に引き締まった状態を維持している。2019年以降、23年を除き空室率は5%を下回り、25年も過去最大の40.1万坪の供給があったにもかかわらず空室率は4.2%にとどまった。新規需要は37.5万坪と過去最高を更新し、供給をほぼ吸収した格好だ。

今後についても、26年、27年の新規供給は25年の4割程度に縮小する一方、需要は引き続き旺盛と見込まれており、空室率は3%台へとさらに低下する見通しだ。需給の引き締まりを背景に、実質賃料も26年に前年比2.6%増、27年に同2.0%増と上昇基調が続くと予測されている。

近畿圏特有の構造が需要の強さを生み出している。製造業の集積度が高く、製造品出荷額は首都圏の76%に達する一方、LMTストックは同35%にとどまる。コロナ禍を契機とした在庫積み増しやサプライチェーン再編の動きが、物流施設需要を押し上げた。また、インバウンド消費も首都圏の6割強の規模を持ち、万博後も継続的な需要が見込まれる。こうした経済規模に対する施設不足が、構造的な需要超過を生んでいる。

立地面でも近畿圏は優位性を持つ。地域外輸送量は首都圏とほぼ同水準にあり、関東から九州までをカバーする広域物流の結節点として機能している。ドライバー不足が深刻化するなか、輸送距離の最適化や中継拠点の整備ニーズが高まっており、西日本向け物流のハブとしての重要性は一段と増している。

テナント構成にも変化が見られる。近年完成した施設では、食品や日用品、EC(電子商取引)関連といった一般消費財の割合が増加しており、配送頻度の高さや輸配送コスト上昇への対応として、拠点再編や増床が進んでいる。EC関連は全体の3割を占め、近畿圏が関東に次ぐ消費市場であることから、配送距離短縮を目的としたセンター整備が続く。一方で、電子・機械分野も一定の比率を維持しており、製造業の在庫戦略見直しや物流強靭化の動きが継続している。

エリア別では、中心部は供給制約による希少性の高さから賃料上昇が続き、湾岸部も供給不足を背景に底堅い。一方、滋賀や奈良など周辺部では、幹線道路沿いの開発が需要を喚起し、中心部からあふれた需要の受け皿として機能している。空室は特定エリアに偏らず分散しており、市場全体としての需給バランスは良好だ。

近畿圏の物流施設市場は、供給抑制と構造的需要の両面から引き締まりが続く局面にある。CLO(物流統括管理者)設置義務化などを背景に企業の物流戦略見直しも進むなか、拠点再編と施設需要は中長期的に持続する可能性が高い。

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