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燃料高・中東混乱で航空利益半減へ、IATA

2026年6月8日 (月)

調査・データ国際航空運送協会(IATA)は7日、2026年の世界航空業界の業績見通しを公表し、航空会社全体の最終利益が230億ドルにとどまるとの予測を示した。中東情勢に伴う運航混乱と燃料価格の上昇が収益を圧迫し、従来予測の410億ドルからほぼ半減する。25年の純利益見込み450億ドルと比べても半分の水準となる。

最終利益率は2.0%で、従来予測の3.9%、25年見込みの4.2%を大きく下回る。旅客1人あたりの純利益は4.50ドルとなり、25年の9.10ドルから半減する見通し。営業利益は480億ドルで、25年の764億ドルから縮小する。一方、業界全体の売上高は前年比9.4%増の1兆1650億ドルを見込む。

旅客数は前年比2.4%増の51億人となり、座席利用率は84.0%と過去最高水準に達する見通し。貨物量は0.2%増の7170万トンと小幅な伸びにとどまる。貨物収入は1620億ドルで、燃料高の転嫁を背景に25年比7.2%増を見込むが、実需の伸びは限定的とみられる。

コスト面では、燃料費が25年の2520億ドルから26年は3500億ドルへ4割増加する。ジェット燃料価格は1バレルあたり平均152ドルと、25年の90ドルから7割上昇する想定。燃料費が営業費用に占める割合は25年の25.4%から31.4%に高まる。持続可能な航空燃料(SAF)の追加購入費用も43億ドルに達する見込みで、脱炭素対応と燃料高が同時に航空会社の負担となる。

地域別では、中東の航空会社が43億ドルの赤字に転落すると予測した。戦争に伴う空域閉鎖や運航制約、乗り継ぎ需要の減少が影響する。アジア太平洋地域は66億ドルの黒字を見込むが、25年の98億ドルから減少する。欧州は96億ドル、北米は94億ドルの黒字を維持するものの、いずれも前年を下回る。アジア太平洋では、湾岸地域からの原油輸入依存や迂回飛行による燃料消費増、アジア通貨安によるドル建て費用の上昇が収益を圧迫する一方、中東ハブの混乱により欧州・アジア間の貨物や旅客需要の一部を取り込む可能性もある。

IATAは、航空機供給の遅れも業界の制約になっていると指摘した。航空機の受注残は26年5月時点で1万8100機に達し、現役機材の5割超に相当する。新造機の不足はリース料や整備費の上昇を招くほか、燃費改善の停滞を通じてCO2削減の進展にも影響する。

中東情勢の長期化と燃料高は、航空貨物にも運賃、供給力、迂回ルートの面で波及する。IATAは、旅客・貨物需要そのものは底堅いとみる一方、燃料費、機材不足、インフラ制約、地政学リスクが重なり、航空会社の利益余地は大きく狭まっていると分析している。

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