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食品通販市場が初の5兆円突破へ、矢野経済

2026年6月18日 (木)

調査・データ矢野経済研究所(東京都中野区)は15日、食品通販市場に関する調査結果を発表した。2025年度の国内食品通販市場規模は前年度比3.3%増の5兆74億円となり、初めて5兆円を突破する見込みだ。新型コロナウイルス禍による特需は一巡したものの、食品通販が日常的な購買手段として定着し、市場は安定成長局面に入ったとしている。

24年度の市場規模は同2.2%増の4兆8472億円だった。物価上昇や節約志向の高まりで消費者の購買行動は慎重になっている一方、保存性を備えた商品やコストパフォーマンスが高い商品、冷凍食品などへの需要は堅調に推移した。また、米不足や価格高騰を背景にインターネットで米の在庫を検索・購入する動きが広がり、米の通販市場が拡大したことも市場全体を押し上げた。

▲食品通販市場規模推移と予測(クリックで拡大、出所:矢野経済研究所)

業態別では、複数商品を横断的に比較購入できる利便性や、ポイント・クーポン施策が消費者の節約志向に合致していることから、ショッピングモールが市場拡大を牽引している。一方、生協や自然派食品通販・宅配では利用者数の伸び悩みや割高感が重しとなり、ネットスーパーは成長一巡などによる事業採算性の見直しを背景に転換期を迎えている。

注目分野としては、SNSやメールで専用URLを送るだけで食品ギフトを贈れる「ソーシャルギフト」が挙げられる。新型コロナウイルス禍以降、自宅で楽しむ良質なグルメ商品を親族や知人へ贈る需要が拡大しており、近年は法人利用による認知拡大を背景に、誕生日や母の日、御礼、手土産など利用用途も広がっている。スイーツや果物、米、うなぎ、調理済食品などとの相性も良く、食品通販における新たな購買動線として成長が期待されている。

今後の食品通販市場では、利用者数の拡大よりも既存利用者の購買頻度や購入単価を高めることが重要になる見通しだ。日常食品では重さや保存性、簡便性を備えた商品のまとめ買い需要が引き続き市場を下支えする一方、高単価のお取り寄せ品は節約志向の影響を受けやすく、回復には時間を要するとみられる。矢野経済研究所は、日常利用に加え、こだわり商品や地域性のある商品のお取り寄せ需要、ギフトなどの非日常需要を喚起できるかが市場成長の鍵になると分析している。

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