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貿易DXを阻む壁は、属人化と役職間の意識差

2026年7月24日 (金)

ロジスティクス貿易業務のデジタル化(DX)が停滞する最大の要因は、特定担当者への業務依存と、階層間の目的意識のズレだ。

双日テックイノベーション(東京都千代田区)は24日、「貿易業務白書2026」を公開したことをふまえ、セミナーを開催し、業務改善が止まる理由と解決策を解説。あわせて、貿易現場の課題やDX推進を阻む背景を明らかにした。

▲貿易業務白書2026(出所:双日テックイノベーション)

同社の調査によると、貿易業務に関わる82.5%の人が何らかの課題を感じている一方で、業務全体をシステム上で一元管理する企業は14%にとどまる。一部業務をデジタル化しても、エクセルやメールによる運用が42.7%と多く残る状況だ。

同社の木村悦治副部長は「デジタル化を進めるほど新たな課題が見えてくる」と指摘する。現場の負担は書類作成にとどまらず、取引先とのスケジュール調整や例外対応にまで及んでおり、部分的な自動化だけでは全体の負荷を解消できない。

この背景には「属人化」の問題が存在する。特定の担当者しか手順を把握していない企業が43.6%に上るほか、イレギュラー対応のノウハウを文書化していない企業も42.6%を占める。木村氏は「人材不足の社会を見据え、同じ品質とスピードで業務を再現できる仕組み作りが急務だ」と警鐘を鳴らし、個人の経験に依存しない組織的な業務標準化を促した。

▲担当者依存と標準化の難しさが存在(出所:双日テックイノベーション)

また、DX推進を阻む大きな壁として、役職ごとに重視する視点が異なる実態を挙げた。経営層は現状の業務に問題がないと判断しがちで、投資価値を判断する材料も不足している。一方、管理職はIT部門との連携や投資対効果(ROI)の説明に苦心し、現場の実務担当者は何をどこから変えればよいか具体的な第一歩に悩んでいるという。木村氏は「それぞれの立場で課題が一致していないため、社内合意の形成が難航する」と語り、組織内の意識差を埋めるアプローチが不可欠だと説いた。

デジタル化を成功に導く鍵は、推進可能な組織体制の構築にある。業務手順書の整備や予算確保に加えて、IT部門と業務部門の連携が必須だ。経験や勘に頼らず、誰もが同じ水準で業務を進められるルールを整理し、小さく始めて効果を確認しながら改善を積み重ねる姿勢を推奨した。

最後に木村氏は、「AI(人工知能)を導入して解決できる範囲は一部にすぎない。業務全体を見直す準備を進めないと先へは進めない」と強調。自社の現在地を把握し解決の糸口を探るため、調査の全容をまとめた「貿易業務白書2026」の活用を呼び掛けた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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