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ベトナム南部物流、日本勢の勝ち筋を検証

2026年7月28日 (火)

調査・データベトナム南部の物流再編は、日本の物流企業にとって実効性のある商機なのか、それとも期待先行の市場なのか。本誌LOGISTICS TODAYは29日から8月2日まで、ネクスジェンジャパン(Nexgen Japan、横浜市西区)、NTTイーモイ(NTT e-MOI、ベトナム)と共催し、「日越サプライチェーン接続調査2026」を実施する。日本の物流業界の経営者・幹部で調査団を組成し、ホーチミン市と近郊の港湾、工業団地、現地企業を訪問し、領域ごとの関与余地を確認する。(編集長・赤澤裕介)

焦点は、再編後のベトナム南部で日本の物流企業が対価を得られる領域を見極めることにある。成長市場というだけでは、事業機会とはいえない。現地企業の価格競争力、商習慣、行政手続き、人材確保、電力コストの前で、日本企業の品質管理や運営ノウハウがどこまで優位になるのか。反対に、参入しても消耗戦になりやすい領域はどこなのか。現地でその境目を確認する。

ベトナム南部の物流地図は、行政再編で大きく変わった。2025年7月1日の地方行政再編により、ホーチミン市はビンズオン省とバリア=ブンタウ省を合併し、人口1400万人規模の巨大都市となった。これにより、大水深港のカイメップ・チーバイ港、主要工業団地、消費地が行政上は同じホーチミン市に組み込まれた。港湾、工業団地、都市消費を一体で見る必要が強まっている。

港湾、冷凍冷蔵、部品部材を重点確認

第一の論点は港湾だ。調査団は、カイメップ・チーバイ地区の大水深コンテナターミナルを訪問する。確認するのは、単なる港湾能力ではない。荷主やフォワーダーが、どの貨物でカトライ港を使い、どの貨物でカイメップ・チーバイ港を使っているのか。港湾選択が、内陸輸送費、リードタイム、通関、空コンテナ手配、工業団地立地にどう影響しているのか。荷主が港を選んでいるのか、それとも船社サービス、工業団地立地、通関、コンテナ需給に港を選ばされているのかも論点となる。

第二の論点はコールドチェーンだ。都市化、共働き世帯の増加、コンビニエンスストアの拡大を背景に、ベトナムの冷凍冷蔵需要は伸びている。ただし、需要増と事業採算は別問題だ。荷主が品質にどこまで対価を払うのか。電力供給や自家発電コストが採算をどこまで圧迫するのか。温度帯管理や庫内運営のノウハウが、ローカル事業者との価格差を正当化できるだけの競争力になるのかを見極める。

第三の論点は、部品・部材の輸出入だ。チャイナプラスワンを背景に、ベトナム南部の工業団地には日系製造業の集積が進む。ただし、ベトナムは単純な中国代替ではない。中国、日本、ASEANから部品・部材を取り込み、ベトナムで加工し、米欧や日本、域内へ出す分業の一部として機能している。調査団は工業団地を訪問し、保税、免税、通関、倉庫、工場納入、港湾接続、現地調達率の実情を確認する。

期間中は、ホーチミン市のサイゴン・エキシビション・アンド・コンベンションセンターで開かれる国際物流展「VILOG2026」も視察する。展示会では、現地企業が何を売ろうとしているのか、物流DXやコールドチェーンが実需として語られているのか、日系企業との協業余地がどこにあるのかを確認する。

帰国後は、本誌で調査結果を報告する。進出期待をなぞる視察報告ではなく、ベトナム南部で日本の物流企業が関与できる領域、関与しても勝ちにくい領域、追加取材が必要な論点を切り分け、次に追うべき市場仮説を示す。

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LOGISTICS TODAY編集部
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