国際ロシア石油大手ロスネフチのイーゴリ・セチンCEOは4日、第8回ロシア・中国エネルギー・ビジネス・フォーラムで、ホルムズ海峡を巡る危機を背景に、代替輸送ルートとして北極海航路の重要性が高まっているとの見方を示した。中東からの原油供給や海上輸送が不安定化するなか、北極海航路ではロシア産原油の中国向け輸送が実際に拡大しており、従来航路を補完するエネルギー輸送網として存在感を強めている。

(出所:ロスネフチ)
ロイターによると、ロシアは2026年に入ってから北極海航路経由で1000万バレル超の原油を輸送しており、現時点ではすべて中国向けとなっている。昨年の航行シーズン全体では1300万バレルだったことから、ことしは早い段階で前年実績に迫るペースとなっている。
北極海航路はロシア北方の北極海域を通り、同国西部の港湾とアジアを結ぶ。一般的なスエズ運河経由と比べて航行距離を短縮できる一方、航行可能な時期や氷海対応船の確保など制約もある。
セチン氏によると、北極海航路を活用した場合、貨物輸送にかかる時間を従来の2分の1から3分の2程度に短縮し、輸送コストも3分の1削減できる可能性があるという。ロシアと中国の関係強化を背景に、中国側が同航路を優先的に利用できる可能性にも言及した。
ホルムズ海峡は世界の原油・LNG輸送を支える主要航路だが、米国とイランによる船舶への攻撃や通航を巡る緊張を受け、船舶の通航量は平時を大きく下回っている。イラン産原油の供給も細り、中国ではロシア産原油など代替調達先への需要が強まっている。
ロスネフチの発表では、経済産業省のデータとして、日本が輸入する原油の93%がホルムズ海峡を経由するとしている。ホルムズ海峡の混乱が長期化すれば、供給源の分散とともに、北極海航路を含む代替輸送ルートを確保する動きが一段と強まる可能性がある。
セチン氏はまた、中国がエネルギー備蓄の確保や交通部門の電化、ロシアとのエネルギー協力を進めてきたことが、供給リスクへの耐性につながっていると説明した。
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