行政・団体中小企業庁は4日、2026年度の最低賃金引き上げに対応する中小企業・小規模事業者向けの支援策を公表した。全都道府県の地方最低賃金審議会で取りまとめられた地域別最低賃金の全国加重平均は1177円で、前年度から56円上昇する。人件費負担の増加に対応するため、価格転嫁・取引適正化、省力化投資、補助金・税制、伴走支援を組み合わせる。
価格転嫁では、1月に施行された中小受託取引適正化法と受託中小企業振興法の運用を強化。AI(人工知能)分析などを活用して取引実態の把握を進め、労務費を含む価格転嫁を促す。発荷主・着荷主間など取適法の対象外となる取引についても、公正取引委員会が独占禁止法に基づく規制を強化する。物流分野では、着荷主による契約外の荷待ち・荷役などを対象に加えた改正物流特殊指定が27年4月1日に施行される。
設備投資では、省力化投資補助金やデジタル化・AI導入補助金を活用する。省力化投資補助金の一般型では、一定期間、改定後の地域別最低賃金未満で働く従業員が全従業員の30%以上を占める事業者について、通常2分の1の補助率を3分の2へ引き上げる特例を設ける。ものづくり補助金などでも同様に、最低賃金引き上げの影響が大きい事業者への補助率引き上げや加点措置を実施する。
税制面では、中小企業向け賃上げ促進税制を26年度末まで実施する。給与支給額を前年度比1.5%以上増やした場合は増加額の15%、2.5%以上増やした場合は30%を法人税などから控除できる。
人手不足が深刻な12業種を対象とする「省力化投資促進プラン」も進める。全国47都道府県のよろず支援拠点に設けた生産性向上支援センターなどを通じ、省力化設備やデジタル技術の導入を支援する。自治体や金融機関、商工会・商工会議所による働きかけも強め、26年度末までに計100万件の伴走支援・相談対応を目指す。
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