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低温・危険物倉庫が存在感、中小向け自動化も進展

2026年9月9日 (水)

イベント人件費の高騰や建築資材高によって、付加価値の低い「ただの箱」としてのドライ倉庫は採算が合いにくく、建てにくい状況が続いている。こうした背景から、需要が急伸する冷凍冷蔵倉庫や危険物倉庫といった、高付加価値な倉庫に注目が集まっている。東京ビッグサイト(東京都江東区)で11日まで開催されている「国際物流総合展2026」でもそうした分野の展示が目を引いた。

近年は各種電子機器に使うリチウムイオンバッテリーや、EC(電子商取引)向けの可燃性化粧品などの保管で危険物倉庫の需要が高まっている。危険物倉庫建設を得意とする三和建設(大阪市淀川区)の危険物倉庫ブランド「RiSOKO」(リソウコ)ブランドマネージャー・松本孝文氏によると、「一時に比べると危険物倉庫の需要は落ち着いているように見える」という。とはいえ需要がなくなったわけではなく、「大手デベロッパーが大型の普通倉庫に数棟の危険物倉庫を併設することで供給が増え、枯渇感が薄れているものの、常に一定の需要が存在する」状態だと分析する。

▲三和建設・RiSOKOのブース

一方、高付加価値倉庫の筆頭である冷凍冷蔵倉庫の需要も拡大を続けており、会場では低温下での自動化ソリューションを展開する東京機械製作所(TKS)などが大きなブースを構えて異彩を放っていた。

DXなどのデジタルソリューションを含め、倉庫の自動化マテハン機器は大資本が投下される大型施設向けと思われがちだ。しかし、ここ数年でメーカー側も中小規模の事業者向け製品を拡充しており、低温倉庫向けのラインナップも増えつつある。

▲ネクサウェアのピッキングカートはさらなる低温環境向けの製品開発を目指す

今回出展していたNexa Ware(ネクサウェア、東京都千代田区)もその一つ。中小規模の冷凍冷蔵倉庫向けピッキングカートや、遠隔操作可能なフォークリフトを展示していた。マイナス数十度という過酷な現場での作業負荷は非常に重いが、こうした機器の導入によりワーカーの負担を劇的に軽減できる。同社は「地方の食品メーカーなど、小規模な低温倉庫での需要に応え普及を目指したい」と意気込む。

▲埼玉にある低温倉庫のフォークリフトを東京ビッグサイトの会場から遠隔で操作するデモの様子(ネクサウェア)

これまで「LOGI FLAG」(ロジフラッグ)ブランドで全国に自動冷凍倉庫を展開し、低温領域の作業負荷軽減を推進してきた霞ヶ関キャピタル。同社は今回、冷凍分野で培ったノウハウを生かし、神奈川県厚木市で床面積8200−8600平方メートル規模の「ドライ自動倉庫」の開発に乗り出す。

同社によれば、建材費や人件費の高騰下において、設備付加価値のないドライ倉庫は賃料設定の面で厳しさを増しているという。これに対し、厚木の新規拠点では自動化率98−100%を掲げ、1万4000パレットを高密度に収容。ケース・パレット単位の入出庫工程をほぼ無人化する。

▲霞ヶ関キャピタルのブース

ターゲットとするのは、飲料や日用品といった高回転の流通系商材だ。滞留期間の長い低回転商材ではなく、高回転商材に特化させるほか、夏と冬で需要期が異なる商材を組み合わせることで季節波動を吸収する運用を想定している。需給ギャップの大きい冷凍市場を攻めつつも、巨大な市場規模を持つドライ領域において「単なる箱」から脱却した進化型拠点を提示する試みだ。

各出展企業のブースからは、物流業界が直面するコスト高や人手不足という切実な課題と、それに向けた具体的な解決策が鮮明に浮かび上がってくる。目的の展示を見終えた後も、次世代の物流のヒントを探しに会場を巡ってみる価値は大いにあるだろう。

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