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東京都の3クラスターが連携、スタートアップが大手企業へ提案

物流・製造の壁越える「TIB CATAPULT」合同ピッチ

2026年10月13日 (火)

ロジスティクス東京都が推進するイノベーション創出事業「TIB CATAPULT」(ティーアイビーカタパルト)に採択された3クラスターはこのほど、都内で合同ピッチイベント「TIB CATAPULT Cross-Cluster Pitch」(クロスクラスターピッチ)を開催した。モビリティー・ロボティクス、ものづくり、物流の領域を横断し、スタートアップと大手企業による新たな事業創出を目指すもの。登壇した全社に対し、出資や協業を検討する構成企業から「組みたい」「興味あり」の札が積極的に上がり、中には参加全社から札が上がるスタートアップも出るなど、社会実装に向けた熱を帯びた議論が交わされた。

ピッチには、各領域から選出されたスタートアップ6社が登壇し、現場の課題解決に向けたソリューションを提示した。

Industry Alpha(インダストリーアルファ、東京都板橋区)は、現場の設備を統合管理するスマートインフラ「α」を提案。既存のWMS(倉庫管理システム)などと自社製AMR(自律走行搬送ロボット)を接続し、AIによる状況判断と設備制御を行う。国内400拠点の倉庫網を持つロジスティードは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の観点から同社のシステムを高く評価した。

▲LOMBYの内山智晴代表

LOMBY(ロンビー、東京都品川区)は、公道走行可能な自動配送ロボットを活用し、建屋間が公道で分断されている大規模工場などでの一貫した搬送モデルを提示した。ジヤトコは、工場内外をまたぐ運用に有用性を見いだし、実証に向けた意向を示した。

ジザイエ(千代田区)は、通信環境の悪い現場でも低遅延で高画質な映像を伝送し、遠隔操作を可能にする「現場OS」を紹介。映像データを95%削減できる独自の圧縮伝送技術により、ストリーミング映像のAI時系列分析が可能になる。ピッキングや梱包の誤りを発生時点で検知できる仕組みに、ロジスティードやセイノーホールディングスが物流現場の業務遠隔化や品質改善に向けて高い関心を寄せた。

Doup Robotics(ドープロボティクス、大田区)は、最大秒速2メートルで走行し、マーカー不要で高い停止精度を持つ自社開発のAMRとフリート管理システムを説明した。既存システムとの柔軟な連携や、荷下ろしから搬送までの一貫した無人化構想に対し、トヨタ紡織やセイノーホールディングスが、導入事例の提示や連携に向けた協議を求めた。

▲重量物対応のAMRが軽自動車を搬送する様子を紹介したDoup Robotics内藤博CEO

Guide Robotics(ガイドロボティクス、千代田区)は、GPSが届かない屋内での位置特定・誘導ソリューション「GuideNS」(ガイドエヌエス)をアピールした。エッジコンピューティングを用いて通信負荷を抑えつつ、フォークリフトや作業員の動線を可視化し、無駄な移動の削減を促す構成に対し、シャープやジヤトコから高い評価を得た。

▲Guide Roboticsの宇城学CEO

大企業側からは、既存システムとの連携方法や初期コスト、費用対効果など、具体的なユースケースを想定した質問が次々と飛んだ。イベント後の交流会では、一般参加者も含めた積極的な交流と踏み込んだ意見交換が行われ、物流・製造業界が直面する人手不足などの課題解消へ向けた、領域横断的なテクノロジー実装への期待が大きく膨らむ一夜となった。

本イベントの背景には、東京都が発表したグローバルイノベーション戦略がある。「次世代モビリティ・ロボティクス(MoRo)」「ものづくり(FORGE)」「物流(TLCC)」の3クラスターが連携し、単一業界にとどまらないクロスインダストリーでの新価値創出を後押しする枠組みだ。中でも物流領域を担うTLCC(Tokyo Logistics Co-Creation Cluster)は、物流ネットワークにおける新たな価値創出と「次世代のデファクトスタンダード」構築をミッションに掲げる。

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