ロジスティクス日本通運は8日、札幌支店(札幌市白石区)の倉庫で自動走行するフォークリフト(AGF)とオートレーター(自動垂直昇降機)が連携する自動化システムを本稼働させ、夜間の出荷準備作業を無人化したと発表した。
自動化システムの導入を担当したのは同社ロジスティクスエンジニアリング戦略室で、2017年から豊田自動織機、日通商事と協力し、検討を開始。
導入先は、食品や飲料の共同配送を行っている新札幌物流センターで、「既存倉庫でも実現可能な自動化技術」を活用した作業の省力化を検討した結果、「出荷作業の一部にAGFとオートレーターを導入することで自動化が実現可能」と判断した。
取り組みの柱は「夜間の出荷準備作業の自動化」と「入出庫繁忙時間帯の縦持ち作業効率化」だ。
夜間の出荷準備作業では、これまで翌日の出荷準備のために夜間・早朝時間帯に行っていた有人のフォークリフト作業をなくし、作業スタッフが帰宅した後の夜間時間帯に、各階に配置したAGFとオートレーターが連携して稼働する仕組みを構築。フロアごとにパレット積みされた出荷予定貨物を、1階出荷待機場所まで自動で移動させるなど、AGFとオートレーターを連携させて完全自動化を実現した。
また入出庫繁忙時間帯の縦持ち作業では、トラックやピッキングへの対応で有人フォークリフトが繁忙となる日中の入・出庫集中時に、オートレーターで各階に到着した貨物の荷受けをAGFに行わせて、オートレーター上の滞貨を解消。オートレーターの稼働率を上げ、縦持ち作業にかかる時間を短縮した。
同社は「今後ますます社会に大きな変革をもたらすと考えられる最先端技術を取り込み、物流システムや現場改善などにも活かしていく」としている。