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2018年2月15日大型トラック追突事故で事故調が原因究明

岡崎市の4人死傷事故は健康管理に原因、事故調

2020年2月3日 (月)

事件・事故国土交通省は1月31日、事業用自動車事故調査委員会(事故調)の報告書を公表し、2018年2月15日に愛知県岡崎市で発生した多重衝突事故は、最初に追突した大型トラックのドライバーの健康管理に問題があったことを指摘した。

この事故は、午前7時45分ごろ、自動車部品3トンを積載していた大型トラックが、赤信号で停止していた車列の最後尾の普通トラックに追突し、合計6台が絡む多重衝突事故となったもので、軽乗用車に乗っていた1人が死亡、普通トラックと乗用車に乗っていた3人が重軽傷を負った。

事故調は、「大型トラックの運転者が、事故前日から続く体調不良を感じたまま運転を継続し、信号待ちで停止している車列に気が付くのが遅れ、ブレーキ操作やハンドル操作をすることなくこれらの車列に衝突した」と直接的な原因を分析。加えて、(1)毎日午前3時ごろの出庫に合わせて実施するはずの始業点呼を2か月前から実施しておらず、運行管理者が体調不良に気付くことができなかったこと、(2)ドライバーが自身の体調が悪化していることに気付いていながら運転を継続したこと――を間接的な原因に挙げた。

これをもとに事故調は、(1)持病がなく、過労が見られない運転者であっても、体調不良により事故を起こす可能性があることを認識すること、(2)運転者が乗務前に体調異変が生じた場合に運行管理者に対して申告しやすいような職場環境を整備すること、(3)運行管理者は、運転者が運行中に体調不良になった場合は、車両を速やかに安全な場所に停止させ、体調不良の状況を運行管理者に連絡して指示を受けるよう徹底すること――を再発防止策として報告した。